コメント・書評 |
これだから、TRPGはやめられない!
カルバドス
Apr 1, 2005 10:46:00 AM
|
評価 ( ★マーク )
★★★★★
|
駆け出し冒険者一行で始まったこのシリーズも、本作でなんと9巻になる。キャラクターを演じるプレイヤーとストーリー進行役のゲームマスターが一つ所に集い、時には時間を忘れながらプレイに熱中するTRPG(テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム)。物事を決定付ける重要な場面での判断にはサイコロを使うため、“偶然”という魔物に出会うこともしばしばである。良い目が転がれば格上のモンスターにも楽勝し、その逆ならば格下の雑魚にも思わぬ苦戦を強いられてしまう。全員が協力し合って物語を紡ぐという一体感の他に、サイコロの目に左右される緊張感も大きな楽しみとなっている。 へっぽこだったキャラクター達は、既にヒーローの域に足を踏み入れている。そのため、巻き込まれる事件(冒険)も大きくなった。クライマックスへと盛り上がりを見せる本書では、国家レベルの陰謀を阻止するべく活躍することになる。懐かしい登場人物が次々に顔を出し、読み手の気持ちもどんどん高まっていく。さあ、一気に……といきたいところだが、そう単純に事は運ばないのだった。 ゲームマスターを務める著者の秋田みやびもあとがきで述べているが、サイコロがどう転がるかなど予想できるものではない。今回、それも最後の最後になって、サイコロは思わぬ方向へ転がってしまう。誰もがまったく予想していなかったどころか、想像すらしなかった事態が発生。ゲームマスターは苦悩と苦労を一気に背負い込むことになる。何が起こったのかは、もちろん読んでのお楽しみだ。 決められた数値をなぞるだけではなくサイコロを転がすところに、TRPGの面白さがある。三人寄れば文殊の知恵で、仲間で話し合いながら事態を解決する楽しさがある。コンピュータゲームと違って臨機応変に対応できるのも、良い点の一つ。本書にはTRPGの魅力の全てが詰まっている。最後にプレイヤー達を襲ったハプニングもまた、TRPGならではの産物だからだ。実際にプレイした彼らは心外かもしれないが、期せずして最高の教科書に仕上がっている。TRPGを遊ぶ人達はプレイヤー、ゲームマスターの区別なく、是非読んで欲しい。 |
|
|
| 現在の投票
はい:1人(50%)
いいえ:1人(50%) |
|
|
|