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武士の家計簿  新潮新書
「加賀藩御算用者」の幕末維新

武士の家計簿(新潮社) 磯田 道史著
税込価格: ¥714 (本体 : ¥680)
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出版 : 新潮社
サイズ : 18cm / 222p
ISBN : 4-10-610005-3
発行年月 : 2003.4
利用対象 : 一般

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コメント・書評

江戸幻想
ゴンス
Mar 27, 2005 9:09:00 PM
評価 ( マーク )
★★★★

 江戸時代にはなぜ革命が起きなかったのか。年貢の減免を要求する農民一揆は度々起きていたが、もっと根本的な革命、すなわち「士農工商」に対する下剋上はなぜ起きなかったのか……。
 磯田道史の『武士の家計簿「加賀藩御算用者」幕末維新』は数多ある江戸時代研究所の中でも出色である。見てはならない物を木陰からそっと眺めているような感覚すら味合う。なぜなら本書は、我々が江戸時代に対して抱くイメージを根底から覆しているからだ。
 『江時代は『圧倒的な勝ち組』をつくらないような社会であった。武士は威張っているけれど、しばしば自分の召使いよりも金を持っていない。武士は、身分のために支払う代償(身分費用)が大きく、江戸時代も終わりになると、それほど『お得な身分』ではなくなってきていた。』
 武士の多くは借金を背負い、身分ならではの多額の出費も強いられ、年収も多くはその一家の先祖がいかなる人物だったかによって決められていたという。時代劇では威張っているばかりの武士も、実は窮屈な生活を送っていたというのである。農民が革命を起こして武士の身分を奪取しようとしなかった理由の一つは、このためであろう。
 本書はその実情を、加賀藩の御算用者、今日では言えばさしずめ会計士の家系の家計簿から解き明かしたものだ。会計士が残した家計簿を基に分析・取材しているだけに、論文や調査報道の域に留まらない臨場感あふれる物語にもなっている。

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