 |
幽霊人命救助隊
|
|
高野 和明著
税込価格:
¥1,680
(本体 : ¥1,600)
出版 : 文芸春秋
サイズ : 20cm / 451p
ISBN : 4-16-322840-3
発行年月 : 2004.4
利用対象 : 一般
出荷可能時間:
|
|
|
コメント・書評 |
笑いと重さとの匙加減が絶妙です。自殺は他人事ではない問題、今辛いと思っている人、その人の側にいる人に是非とも読んで欲しい一冊です。
エルフ
Feb 14, 2005 8:51:00 PM
|
評価 ( ★マーク )
★★★★★
|
年間の自殺者はここ数年3万人以上になっています。 統計で言えば1日に100人近くの人達が今まさに死に急いでいる計算になってしまうんですよ。しかも日本ってまだメンタルな部分が社会で認められていないので神経症に対して人々の関心はとても薄い、尚且つ劣等の意識があるような気がします。 でもね、これってすごく身近な問題ですし、今の社会ではいつ誰が陥っても不思議じゃない問題なんですよね。ですからとても他人事ではないんです。
しかし自殺をテーマにした作品は今まで数多くありますが、自殺した幽霊が今から自殺しようとしている人達の命を救うという設定は初めてです。 こんなにも重苦しいテーマなのに神様はパラシュートで降りてくるし、レスキュー隊に選ばれた4人の死んだ時期や生まれ、性格もバラバラなので彼らの会話自体がかなり笑えるんです。 「話が山手線」とか「なーんちゃっておじさん」とか私でも分からない単語ばかり出てくるし、逆に携帯電話に驚いたりバブル時代のことも知らなかったり全く話の噛み合わない4人。しかも初めての人命救助で一体何をどうしたら良いのかさっぱり分からない。 幽霊なのにドアが閉じたら中に入れないし、物に触れないから飛び降りそうな人を力づくで救うことも無理、出来るのは与えられたメガホンで励ましたり怒鳴ったりすることだけなんですよ。 うわー、こんなんで一体どうやって自殺しそうな人達を救うんだろう?とハラハラしながら読み進むことに。この救い方は読んでみてのお楽しみです。 4人は救出する度にどんどん道具の使い方が上手くなったり、助ける方法を見付けたり、また自殺しそうな人達のキャッチまで上達していくのです。 作戦の名付け方もまた面白いんですよね。
そして4人と出会う自殺しそうな人々は様々。 九歳の男の子から主婦、孤独なおじさん、会社員、OL、借金問題を抱えた社長、そしてか殺人犯までいるのです。 救いたいと思う人もいればこんなヤツ救わなくてもという人まで…。 それでも目の前で自殺しそうな人達を救おうと必死になる4人。
数々の自殺しそうな人々を救う中、4人はそれぞれ自分が自殺した時のことを思い出し、後悔の念に陥ってしまいます。特に自分と似た人と出会うことで、実際に自分達は死んでしまったのですから後悔しないわけがない。この部分はすごく切ないんですよね。 そしてこの4人が出会う最後の自殺へ向かう人物は思いもよらない人でした。
この世の中責任感が強ければ強いほど生き難い。 今ちょっと辛い時期だな…と思っている人に是非読んでもらいたい1冊ですね。 笑いと重さとの匙加減が絶妙なので楽しみながら後々深く心に残る本でした。 |
|
|
| 現在の投票
はい:2人(100%)
いいえ:0人(0%) |
|
|
|
|



|