コメント・書評 |
岩井節炸裂。
戸隠かれん
Feb 14, 2005 8:37:00 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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物語は、遊女の一人語りの口調で描かれていて、 姿は出てこないがもう一人、話を聞いている客がいる設定。 語り口調なので雰囲気がある。 草木も眠る丑三つ時(とまではいかんだろうが)… 静まりかえったほのぐらい部屋。 ぼんやり灯った灯篭の、明かりに浮ぶ遊女とその客。 ぽつりぽつりと身の上を、語る遊女のなまめかしくも恐ろしい影。 その様子を隅の“ついたて”からそっと覗いているような、 そんな感じ。 この本は、表題作のほか、三つの短編が収録されている。 有名な『ぼっけえ、きょうてえ』は先に触れた通りだが、 そのほかの話も負けず劣らず、素晴らしい。 雰囲気は抜群で、文章のセンスも良い。 そして何より、風情がある。 読み進めていけばいくほど、目の前に物語の情景が広がってくるのは、 著者.岩井志麻子の繰る文の美しさによるものだからだと思う。
あと、この表紙がいい。 この『横櫛』という絵の遊女だか、花魁だか、 それとも普通の女であるのか、そうでないのか。 妖しい笑みを浮かべた顔色の悪い女のイメージがそのまんま、 物語に登場してくるようで、薄気味悪ぃ(笑)。
話自体よくできていて、 この絵を彷彿とさせるものがあったからこその装丁だろうが、 それ以上に、この絵の生み出す恐怖の効果は大きい。 絵を見るだけで、この本を読む価値アリ。 とまで言えるのではないかと思う。 『ぼっけえきょうてえ』は。 岡山弁で『すごく、怖い』という意味とある。 これが誰の台詞なのかは、読んでのおたのしみ。 ちなみに。 長崎田舎出身の戸隠に言わせれば、 『ばり、おとろしか』 と、なるのである。
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