 |
切磋琢磨するアメリカの科学者たち
米国アカデミアと競争的資金の申請・審査の全貌
|
コメント・書評 |
内容紹介
共立出版
Oct 20, 2004 10:23:00 AM
|
|
現在日本にはNIHなどの米国機関を解説した著書や米国の研究室を紹介する著書は多くあるようだが、残念ながら大学システムを含めた米国アカデミア全体を解説した著書はきわめて少ないように見受けられる。そういった意味で、本書では筆者の経験を基に、米国の大学システムがいかに科学研究費の申請・審査のシステムと絡み合うことで機能し、また、科学研究費のピアーレビューの批評と結果が米国の研究者の切磋琢磨する土壌を作り上げているかを解説したいと思っている。
本書は、決して日本のシステムを批判することを目的にしているものではない。米国のシステムを表面的に導入することがいかに危険かということを、米国のアカデミックシステムの根本を理解することで読者に理解していただきたい。今必要なことは、米国のシステムの良い部分を理解し、またその中で日本に適応できない部分もしっかり認識した上で、日本の土壌にあったシステムを作り上げることが大切である。さらに、それが日本のアカデミックシステムの中で、効率良く機能することが重要である。そこには、当然米国とは違う、「独自性・独創性」が要求される。すなわち、前述の各大学の教育の独自性に加え、日本のアカデミックシステム全体の独自性が重要になってくるであろう。したがって、本書を大学教育にかかわる1人でも多くの方、それは現場の大学教員・研究者に限らず、政府・官僚側からその変革に携わる人たち、さらには将来携わる可能性のある大学生の方にも読んでいただくことを希望している。本書の読者が、日本の土壌において効率良く機能するシステムについて議論し、優れたアイディアが生まれれば、この本を執筆した目標は達成される。そのようなシステムを作ることこそが、日本の大学教育の質を向上させ、基礎研究の活性化を促すことになり、その活性化が企業へとつながり、さらに日本が技術大国として末永く世界に貢献できる国となることができるのではないだろうか。
本書は、米国の大学システムを教育面と研究面に分け解説したのち、科学研究費システムを解説する。これらの章には、それぞれトピックスとしての見出しをつけている。全体を通して読むことをお勧めするが、興味ある項目から読み始めるのも悪くはないであろう。ただし、各章の項目はお互いに密接に関連しているため、アメリカのアカデミックシステムを正しく理解するためにも、最終的には全項目を読むことをお勧めする。
〔本書はこういう読者に読んで欲しい〕 ・ 大学教職員に:米国の大学システムとアカデミックカリキュラムの理解、そして米国の科学研究費申請と評価システムの理解のために。 ・大学生・大学院生に:米国留学の手引き書として。ただし、ありきたりの手引き書でなく、留学後までの長い目でみた米国で生き残る研究者としてのアウトラインとして。 ・科学研究費の支出に携わる省庁関係者に:米国の科学研究費申請と評価システム理解のために。 ・大学・研究所で研究に携わる研究者に:米国の科学研究費申請と評価システムにより、いかに研究者が切磋琢磨し研究の質の向上に向けたモティベーションに駆られているかを理解して欲しい。 |
|
|
|
|



|