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ハワイイ紀行  新潮文庫
完全版

ハワイイ紀行(新潮社) 池沢 夏樹著
税込価格: ¥940 (本体 : ¥895)
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出版 : 新潮社
サイズ : 16cm / 558p
ISBN : 4-10-131817-4
発行年月 : 2000.8
利用対象 : 一般

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コメント・書評

駅を乗り過ごさないように。
ノンノン
Jun 18, 2001 2:37:00 AM
評価 ( マーク )
★★★★★

 旺盛な好奇心と徹底した取材。この二つがあれば、大概、本は面白い。好奇心だけじゃ集中力に欠け、取材だけなんていうのは特ダネの亡者か浮気調査の探偵の仕事だが、この本は大丈夫。
 電車の中でぽつぽつ読もうと思って手にしたのだが、駅を乗り過ごしかねない面白さだった。ハワイイは、もちろんハワイのことだが、現地の言葉ではそう発音するらしい。著者は現地人の発音にならって、ハワイイで通している。観光ハワイも魅力的だが、この本は「ハワイイ」の奧の深さを教えてくれる。巻頭の小さな地図を開いて見ては、人が大海を渡って島から島へ移り住んでいくポリネシアの海の様子や、風や、マウナケア山頂の展望鏡に映る星空や、火山の噴火や、朝の驟雨や、タロ芋畑や、山や谷などまだ見ぬハワイを想い描いた。スケールの大きな話が多い。
 今回、小説「スティルライフ」や「夏の朝の成層圏」を読んで抱いていた著者のイメージがだいぶ変わった。理科系の知識や観察眼はこの本でも活きているけれど、だからといって線の細いインテリ作家と即断すべきでない。マウイではサーフィンを体験したり、結構行動派のよう。
 じめじめしたこの季節にお薦めのピュアな1冊である。駅を乗り過ごさないようご注意を。
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