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火星転移  上  ハヤカワ文庫 SF

火星転移(早川書房) グレッグ・ベア著
小野田 和子訳
税込価格: ¥798 (本体 : ¥760)
出版 : 早川書房
サイズ : 16cm / 427p
ISBN : 4-15-011187-1
発行年月 : 1997.4
利用対象 : 一般

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コメント・書評

スケールの大きな万人向けの作品
こじましゅういち
Jun 11, 2001 11:19:00 PM
評価 ( マーク )
★★★★

 (いい意味で)ベアらしくない作品。雰囲気が今までの作品と違う。何というか、明るい。それに、はっきり面白いといえる。
 物語は主人公、キャシーア・マジュムダーの一人称で進んでいくが、まず、この主人公が親しみやすい。今まで読んだ限りでは、ベアの登場人物は、たまに「ほんとにこんな奴おるんかい」というのもいたが、今回のキャシーアは実に自然。自然に感情移入できる。また、話の流れも、今までで一番筋が通って分かりやすいと思う。ナノテクを始めとするガジェットも、これでもかというくらい多数が登場するが、非常に自然に物語りに溶け込んでいる。そして、これらが描き出す火星の環境は生き生きとしていて、それだけでも楽しい。あらすじに限って言うのなら、本の裏のそれがかなりまとめてしまっているが、本編に秘められた内容の濃さは想像以上だ。あとは、もう少しけれん味がほしい(特に終盤、火星がタイトルどおりのことを起こすときに)かな、とも思うが、これは好き好きか。僕にとってベアのベストは「ブラッド・ミュージック」だが、この「火星転移」はそれに次ぐ。万人向けという点では、間違いなく一番だろう。お勧め!
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