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地球防衛家のヒトビト
’02.4.1〜’04.3.31

地球防衛家のヒトビト(朝日新聞社) しりあがり 寿著
税込価格: ¥1,260 (本体 : ¥1,200)
出版 : 朝日新聞社
サイズ : 19cm / 308p
ISBN : 4-02-257924-2
発行年月 : 2004.6
利用対象 : 一般

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内容説明

「イラク戦争」「有事法制」「オレオレ詐欺」…。ときに鋭く、ときにユルユルに世相を斬った、約600本の4コママンガを収録。『朝日新聞』連載をまとめる。

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コメント・書評

「地球防衛家、出動!」「…何をどう防衛するんだっけ?」
べあとりーちぇ
Jun 30, 2004 9:38:00 AM
評価 ( マーク )
★★★★★

 物知らず極まりないのだが、連載開始までしりあがり寿氏の作品を読んだことがなかった。下手ウマというのか一度見たら忘れられない不思議な絵柄と、ユルいのか鋭いのか判らない作風が売り、その程度の理解だった。何故そんな勘違いをしたのか不明だが、『ゴー宣』の小林よしのり氏と混同していた時期もある(恥ずかしい)。
 2002年の4月、朝日新聞の夕刊に初めて「地球防衛家のヒトビト」が登場した時、そうかこの方がしりあがり氏か、と改めて認識した。「ヒトビト」を眺めること6日目、本書のサブタイトルで言うなら「参加したい」の回で「これはオモシロイ」とチェック&熟読するようになった。誕生日プレゼントに選挙権を欲しがる小学生、可愛らしくも憎たらしいことこの上ないではないか。

 そんな訳で最もお気に入りなのはこの地球防衛家の末っ子・ムスコである。お年玉の集まり具合から景気動向を予測し(これが結構当たるらしい)、「今は欲しいものもないからとりあえずドルに換えておくか」とのたまう。同級生君と土手に寝っ転がって交わす会話のナマイキなことと言ったら。そのくせ、蚊取り線香の灰の伸び具合観察を邪魔したトーサンに思わず涙の抗議をしちゃう辺り、まだまだコドモ。この子が将来どんな大人になるのか、想像するだに楽しい。
 ミーハーで日和見っぽいトーサンと要領よくしたたかなカーサン(そして2人ともちょっと間が抜けている)、どこまでもマイペースで独特の価値観を持つムスメと、他の家族たちも味わい深い。またトーサンとカーサンは普段は倦怠期っぽく見えるのに、ふとした拍子に夫婦愛に浸っちゃったりして微笑ましい。その辺に居そうだけど、よく考えると絶対居ないような気がする、そんな絶妙な存在感の一家なのである。

 地球防衛家を取り巻く人々も個性的なキャラばかり。茄子そっくりの顔をしたムスメの同僚(密かに「うらなり君」と呼んでいる)は全然使えないヤツなのに実は東大法学部出身。そんな曲者揃いの部下たちに振り回される、内面は結構ナイーヴな課長。トーサン行き着けの喫茶店のマスターはいつもピント外れの集客キャンペーンを思いつき、ムスコの通う小学校では扱いにくい子供たちが担任の先生を涙に暮れさせる。作者・しりあがり寿氏の分身であるカエル君のユルユルした賢者ぶりも見逃せない。

 時事ネタには欄外に用語解説がついているし、年ごとの「主な出来事一覧」も充実。たった2年しか経っていないのに忘却の彼方に追いやられているもろもろの事件を確認できる。その近辺の「ヒトビト」と照らし合わせれば記憶補強効果も倍増、複雑極まりない世界情勢の今後を予想するのに役立つ(かもしれない)。
 シリアスな時事漫画に疲れちゃった人には、こういうユルユル感が心地よい。ほのぼのとした中にずっしりと余韻を残す、辛口過ぎない大河時事4コマが一挙600本以上と大変お得でもある。ぜひご一読を。
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