コメント・書評 |
初の長編、小兵衛ファミリー大集合!
モール
Dec 17, 2003 2:00:00 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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| いつものように秋山家で家族が団欒の時を過ごしているちょうどその時、ある目的を持った人間が秋山大治郎の名を騙り辻斬りを働く。大治郎個人に対する怨みなのか、それとももっと大きな陰謀なのか、剣客であれば当然人に恨まれることもあるし、自らにその恨みが降り掛かってくるならば、防ぎようもあるが、名を騙り関係のない人間を殺されるというような卑怯な真似をされるとどうしようもない。事件は幕府上層部での権力争いの様相を呈してきて、小兵衛がいつものようにスカっと悪人を懲らしめるわけにはいかないというもどかしさがあります。それにしてもこのシリーズは面白い。はずれが無い。小兵衛を中心にした人の輪が10巻目ともなると徐々にはっきりしてきて、息子大治郎の危機に立ち向かう父小兵衛の働きや、彼ら秋山親子を取り巻く人々の気持ちの良さが現れています。四谷の弥七、傘屋の徳次郎、飯田粂太郎、笹野新五郎、杉本又太郎、杉原秀、又六など過去に秋山親子と関わりのあった人々が次々に登場します。それぞれの人に見せ場があるのですが、徳次郎が執念と根性でついに目的の人物をみつけて、尾行をしているときなどは、「徳さんあまり気負って気付かれないように気を付けて」などと、はらはらしてしまいますし、その後小兵衛から目を潤ませながら礼をされて、徳次郎が「もったいのうござんす。もったいねえ」と子供のように泣きじゃくる所などは、小兵衛が人を身分では見ずに人として見て、それによって人が集まり、小兵衛を尊敬し礼を失っていない周りの人々の姿が、浮び上がってきます。そして時間や運命の偶然の不思議がこの作品にもあります。人間とは矛盾した生き物で、善も悪も持っている、人の心は完全には分からないけれども、純粋さを失わずに生きていけば、悪には傾かないだろうという気がします。良い師に巡り会いたいものです。おはるや芳次郎にホッとさせられます。おはるはやはり小兵衛に必要だったんですね。 |
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