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能力構築競争  中公新書
日本の自動車産業はなぜ強いのか

能力構築競争(中央公論新社) 藤本 隆宏著
税込価格: ¥1,008 (本体 : ¥960)
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出版 : 中央公論新社
サイズ : 18cm / 406p
ISBN : 4-12-101700-5
発行年月 : 2003.6
利用対象 : 一般

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コメント・書評

非常に説得力がある分析。主題のキー概念は、体験的に納得できる。
萬寿生
Oct 19, 2003 11:08:00 AM
評価 ( マーク )
★★★★★

 非常に説得力がある、分析である。 製造業における企業活動を、 「能力構築競争」と 「製品設計情報のやりとり」とみなす、というキー概念は、企業の現場にある者にとって、体験的に納得できる。当事者自身も明瞭には把握していない、表にあらわれない競争力を、このキーワードで、いろいろな観点から分析し解説している。ここに書かれているポイントは、以下の様なことであろう。
 「能力構築競争」というキー概念を用いて、二十世紀後半の日本における製造業の発展、とりわけ「物造り」における競争優位確立のプロセスを、自動車産業を事例として、明らかにしていく。「物造り」のプロセスを「製品設計情報のやりとり」とみなす。製造業であれサービス業であれ、顧客に納入する商品は、何らかの設計情報が何らかの媒体の上に乗っかった形になっている、と考える。設計情報の創造と転写の流れに着目しつつ、物造りの構成要素を、製品設計情報の創造・転写のプロセスとして読み替える。
 「運を実力に転換する能力」「失敗から学ぶ能力」「怪我の巧妙をきっちり活かす能力」「意図せざる結果の意味を後づけでしっかり認識する能力」など。能力構築をある種の「組織学習」と捉えるならば、それらは総じて「何が起っても結局学習してしまう組織力」である。それが「進化能力」である。
 「工場の物造り能力は強いが、本社の戦略構想力が不十分」という、二十一世紀初頭の日本企業の多くにみられる現状がある。日本企業の問題は、「物造り能力」の優位性を最終損益に結びつける「戦略構想力」の弱さであり、これこそが二十一世紀初頭における最大の課題である。
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