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ペンギンたちの旅・病める南極海
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藤原 幸一著
税込価格:
¥1,995
(本体 : ¥1,900)
出版 : 桜桃書房
サイズ : 19×27cm / 1冊
ISBN : 4-7567-1142-1
発行年月 : 2001.2
利用対象 : 一般
出荷可能時間:
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コメント・書評 |
地球温暖化やオゾンホール拡大化の影響を受けている南極。南極ほか、地球上で棲息するペンギンの姿を追う。
挾本佳代
Mar 2, 2001 6:15:00 PM
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評価 ( ★マーク )
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あなたはペンギンが好きだろうか。私は大好きだ。その姿が何とも言えずかわいい、ということもその理由ではある。厳寒の地で、吹雪を受けながらも背中をピンと伸ばしているその凛々しい姿にも惹かれてしまう。父親の股の間に入らなくなるくらい大きくなるまで、ヒナがそこで顔だけ出して寒さをしのいでいる親子の姿もいい。ムクムクした灰色の毛並みでまだまだ成鳥でないことは一目瞭然なのだけれど、親たちと同じ大きさになって、どこか一人前面しているヒナもいい。 けれど、ペンギンという種は今後いつまでも生存し続けていくことができるのだろうか。
地球環境全体が悪化の一途をたどっていることは、もう隠しようがない事実だ。特に20世紀に入って、私たち人間が便利さ、快適さ、生産性を上げるために開発してきたさまざまな機械、生活空間、農薬などが、地球環境に大打撃を与えてきた。オゾンホールは年々大きくなり、地球は温暖化が進んでいる。あと数年すると、ヒマラヤやアンデスの頂上付近の雪がなくなる恐れもあると先日報告がなされていた。温暖化の影響は目に見えないところで急速に発現している。ペンギンが多く住む南極では、新たな病原菌が繁殖し、多くのペンギンが感染してしまっている。というのも、オゾンホールが拡大化する以前は、厳寒の南極に何か病原菌が発生することも繁殖することもなかったからだ。
『ペンギンたちの旅・病める南極海』には、地球上に棲息している18種のペンギンの姿が収められている。愛くるしい顔と姿の背景には、破壊されていく自然環境が映し出されている。例えば、絶滅危惧種に指定されているキガシラペンギンの棲むオークランド諸島は、森林伐採が急速に進み、人間によって、ペンギンの卵やヒナを襲う動物が持ち込まれた。仲間同士ですら姿を見ることができないほど距離を置かなければ、繁殖を成功させることができないキガシラペンギンにとって、森林の伐採はその種の維持に大きな痛手となっている。 唯一アフリカに棲息するアフリカペンギンは、船舶座礁事故などによって海面に流出される油に、全身油まみれになっている。ペンギンは飛ぶことができないために、海面のどこかに浮遊する油から免れることができない。 南米の最南端に位置するフォークランド諸島には、島のあちこちにマゼランペンギンがいる。しかし、9年前に勃発したフォークランド紛争の爪痕が、島には依然として残っている。地雷がそれだ。鉄条網の先には地雷地帯に指定された地域が広がっているが、そこを何とペンギンがヒョコヒョコ歩いているという。そんなことは、今回初めて知った。何でも地雷は、ペンギンぐらいの体重では感知しないらしい。だから逆に、地雷地域でペンギンが棲息する限り、人間の手は及んでこない。
ペンギンのすべての棲息地に飛び、その姿を写真に収めてきた著者には頭が下がる思いである。ペンギンを追い続けてきた著者だからこそ、彼らの棲息地が侵され続けていることに、相当の憤りを感じているのだろう。写真からも、それが十分読み取ることができた。 (bk1ブックナビゲーター:挾本佳代/法政大学兼任講師 2001.03.03) |
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