コメント・書評 |
宗教で国際感覚を身につけよ
Yostos
Jul 27, 2003 7:50:00 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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著者の歴史シリーズ「逆説の日本史」でおなじみの論旨に「日本史は怨霊信仰により動かされた」というのがある。怨霊が実在するしないはともかく、当時の人はそう信じた訳だから、その思想的な背景、そう信じた理由、その結果予想される行動などと史実を照らし合わせて分析することは重要で、実際に今まで見えなかったことが見えてくるぞという論旨である。
本書は、同様の論旨で日本人が考える以上に宗教というものは人々の思想や行動、特に戦争を含めた政治的活動に影響しており、これを知り考慮することが国際的感覚を養い上で重要だとする。
扱われている宗教は、日本人の宗教を確認する上で「和」、「ユダヤ教」「キリスト教」「イスラム教」「仏教」「神道」「儒教」の7つである。
これらの解説を通じて日本人である私たちがあまり理解できない問題、例えば、何故ホロコーストだったのか、なぜ中東問題は解決しないのか、なぜマルクス主義が嫌われるのかなど、宗教を通じて見ることによって理解するとその構造がよりはっきりと見えてくる。
逆に、意識しない自分の考え方や行動に、仏教や和、神道などの影響を受けている部分が少なくないことに驚かされ、無宗教と名乗る日本人においていかに宗教が生活のよりどころとなっているかを改めて意識させられる。特に「基本的人権」の起源を知ると、基本的人権と言われるものと最近起きている未成年犯罪での未成年に対する処罰に対する私たちの感覚的なギャップは宗教的な要因も大きいことを気づかされた。
個々の宗教そのものではなく、それぞれの宗教を客観的に解説した数少ない本であり、本書により第三者として接する際に持っているべき知識を必要十分に得ることできるはずである。
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