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狂乱  新装版  新潮文庫

狂乱(新潮社) 池波 正太郎著
税込価格: ¥540 (本体 : ¥514)
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出版 : 新潮社
サイズ : 16cm / 349p
ISBN : 4-10-115738-3
発行年月 : 2002.12
利用対象 : 一般

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コメント・書評

影法師〈レクイエム〉
流花
Jul 5, 2003 11:46:00 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

「これだけ世間から見捨てられた俺だ。このままいつまでも、こんな暮らしをしていられるか。こうなれば…狂い死にに死んでくれるぞ!!」
 石山甚市、35歳。両親に先立たれ、不遇な生い立ちの中で、剣を頼りに生きてきた。しかし、身分の低い石山が、身分の高い者たちをうち負かしてしまった時、すべての歯車が狂いだしたのである。『遠ざけられ、疎まれて…青春は踏みにじられ…いつも孤独…こういう若者が、どのように変形していくことか?…』誰もが、自分を蔑み、まともに扱ってくれない。…たった一人、まともに接してくれた豊田でさえ、周囲の圧力に耐えきれず、「出て行け!」と言う。そしてとうとう、そんな彼の姿を見て笑いを漏らした者から始まって…爆発したのである。小兵衛の差し延べた手も、あと一歩のところで届かなかった。
 自分が親切を踏みにじっているのはわかっている。挫折したり、狂ったりするのは、自分に責任があるはずだ。それもわかっている。しかし、それに耐えられない人間の弱さ。また、耐えていかなければならない運命の重さ。人は“平凡な人生”と簡単に言う。しかし、その“平凡な人生”を歩むことが許されなかった者たちの、悲痛な叫び声が聞こえてこないか?
 かつて、小兵衛も牛堀九万之助と勝負をしたことがある。勝った方が土井家の剣術指南役に、ということを二人とも知らずにである。『双方とも下段の構えで、睨み合うこと一刻に及んだ』とあり、結果は引き分けであった。九万之助曰く、「小兵衛どのが、引き分けにしてくれた」。二人とも指南役は辞退したということである。まかり間違えば、九万之助も、この手の犠牲者になってしまったかもしれなかったのだ。九万之助は、今でも道場を構え、弟子たちに“剣の道”を教えている。無用な立ち合いをせず、礼儀や心を大切にして…。
 挫折した人間、歯車を狂わされた人間が、いかにまともに生きることができないか。小兵衛は、そういう男を何人も見ている。しかも、己の手によって、その世界に突き落としてしまった男もいるのだ。彼らは、所詮、弱い人間なのか。やはり世の中、強い者が勝ち、弱い者は淘汰されていくのか。悪いのは彼らか? それとも、勝負、勝負と簡単に口にし、人を試すことを何とも思わない輩か? それとも、これぞと思った男を、徹底的に馬鹿にし、いじめ抜くことによって、己の保身を図る奴らか?
 “平凡な人生”を歩むことが許されなかった者たち。身の置き所を失くし、恨みをぶつけるところもなく、人生の歯車を狂わされた者たち。彼らへの鎮魂歌を歌い続けること…それが剣客の使命なのかもしれない。
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