コメント・書評 |
想像力豊かな「ぼく」の不可思議な物語。
PNU
Jun 12, 2003 11:00:00 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★
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舞台はパリ。「ぼく」は浴室で時を過ごしている。恋人に誘われても、親にさとされてもここから出ることはない。そんな「ぼく」だが、こもりっきりというワケでもなく自分の気まぐれで浴室を出て、いきなりヴェネチアへ旅をしてみたりもする。 淡々と日常描写が続き、とくに超自然現象が起こるでもないのに妙に現実から遊離した感じを受ける。なにしろこの「ぼく」ときたら、さとしに来た親に「ぼくにとって気晴らしほど恐ろしいものはないんだよ」などと言ってのけるのだ。そして、理由もなく浴室にこもってみたり、旅行先からなぜだかわからないが帰宅したがらなかったり、帰宅するよう説得する恋人にえらいモノを投げつけたりなどと、実にコドモっぽい行動をとるのだ。 「ぼく」の言動から思うのは、人の行動にむきになって理由を求めたりしても仕方ない、ということだ。「ぼく」はいったい、何から逃げたいのだろうか? 主人公のモラトリアムの象徴が浴室なのかもしれない。
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