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ハンニバル  上巻  新潮文庫

ハンニバル(新潮社) トマス・ハリス著
高見 浩訳
税込価格: ¥746 (本体 : ¥710)
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出版 : 新潮社
サイズ : 16cm / 368p
ISBN : 4-10-216703-X
発行年月 : 2000.4
利用対象 : 一般

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コメント・書評

出版からほぼ三年、やっぱり面白い本は古くならないんだなあと、改めて思わせる
みーちゃん
Jan 20, 2003 8:46:00 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

レッド・ドラゴン』『羊たちの沈黙』三部作完結編だが、だいぶ前に出た『レッド・ドラゴン』を読んでいる人は少ないのではないだろうか。出版社は版を変えて、決定版として売り込んでいるが、なかなか形勢が逆転する気配はない。だから、若い人には映画で一躍有名となった『羊たちの沈黙』の続編といったほうが分りやすい。今回の小説も、既に語り尽くされた感があるけれど、面白い作品は何時読んでもいい。ワシントンDCと、フィレンツェを舞台に男たちの陰謀と狂気が渦巻く。今はFBI特別捜査官となったクラリスの孤独が印象的な作品だ。

麻薬取引の逮捕情報を何者かの手でマスコミにリークされ、クラリスが銃撃戦で立ち回る様子がTVで放映されてしまう。彼女の能力に嫉妬し足を引っ張る男たちは、クラリスの切捨てを画策し始める。前回の事件から7年、彼女のもとに届いたハンニバル・レクターからの手紙。博士の手で醜い姿に変えられた富豪のメイスンの憎悪、そして彼の金に群がる人間の欲望。天才犯罪者レクター博士は、そして彼の理解者であるクラリスは男たちの魔手から逃れる事が出来るか。

この作品に関しては、これ以上内容について触れることができない。ヴィスコンティの映画『ルートヴィヒ』を思わせる官能と狂気は、出版された2000年という年だけでなく、20世紀の棹尾を飾るといって間違いは無い。『羊たちの沈黙』に続きこれも映画化されたが、映像はあまりに衝撃的。レクターの心に迫るラストはまさに黄昏。この作品に関しては、小説に限る。

そう言っておきながら最後が映画の話というので恐縮だけれど、ジョディ・フォスターがクラリス役を辞退したのは残念としか言いようが無い。年齢といい、美しさといい彼女こそピッタリなのに。他の映画が入っていたとか、いろいろ言われているが、出演していて怖かったのではないだろうか。むろん、レクターがではなく、フォスター自身がだけれど。
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