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鬼族

鬼族(河出書房新社) 鐸木 能光著
税込価格: ¥1,575 (本体 : ¥1,500)
出版 : 河出書房新社
サイズ : 19cm / 305p
ISBN : 4-309-01519-0
発行年月 : 2003.1
利用対象 : 一般

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内容説明

「鬼の血」を受け継ぎ、200年に一度生まれてくる鬼を崇めるカルト集団・鬼族。ありえないDNAを示す生体サンプル。「鬼」は本当に存在するのか? 鬼族の血を引く青年が見た人間と神をつなぐ永遠の闇の世界とは−。

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コメント・書評

この作品で一気にブレークか?
霜鞍 佳
Jan 12, 2003 10:50:00 AM
評価 ( マーク )
★★★★★

黒い林檎』以来、待ちに待った鐸木能光の新作である。実は私は、この作品を3度、違う形で読んでいる。最初は文藝ネットから100部限定で発表された限定本。次は、この正式版が出版される前に『鬼族』公式サイト(!)で公開された無料立ち読み版(出だし100枚程度のPDF)、そしていよいよ発売となったこの正式書籍版である。
限定本は約300枚だったが、今回発表された正式版では600枚を超え、倍以上のスケールに成長している。内容の完成度は倍以上に高められた感がある。
出だしだけ読むと、ハリウッド映画のような純粋なホラーエンターテインメントなのかと思う人もいるだろうが、鐸木作品の常で、読後には深い印象が残る。『黒い林檎』もそうだった。息もつかせぬ力でぐいぐい読み進まされるが、読み終わった後は、哲学的とも言えるテーマを突きつけられ、しばらくの間、独特の充足感、心地よい疲労に包まれるのだ。
あまたの娯楽小説とは違うものを常に追い求める作者の志に拍手を送りたい。
文芸の危機、小説の不振が言われてすでに長いが、このような質の高い作品が出てくる間は、まだ日本の出版界も死んではいないなと思わされ、少しだけ安堵できる思いだ。
鐸木能光の作品は、純粋なミステリー(俗に「本格」などと称される作品群)とは違うし、ハードボイルドやホラーといった従来の娯楽ジャンルにもくくれないものが多く、今まで不遇な扱いを受けていたが、本好きを自称する人たちには、そろそろこの作家の存在に気づいてほしいものだ。
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