コメント・書評 |
誰もが「正直」でいられるために
深爪
Dec 28, 2002 11:49:00 PM
|
評価 ( ★マーク )
★★★★
|
「IT不況」ともいわれ、インターネットによって劇的な経済効果があったとはとてもいえない現状なんですが、それはそれとして、本書は「インターネット的」というタイトルからしても、著者の単なるインターネット論でない、一歩踏み込んだ深みのある考証を期待できるというものです。
インターネットによって、社会の仕組みがどのように変わっていくのでしょう? 私は著者の期待するところは、自然淘汰を生み出すための秩序、というかまあその辺りにあるのではと感じました。
著者は一例として、メディアの取材方法の強引さについて控えめに言及しています。日本経済の発展はこんな「有能な」人々の「並外れた」努力によって支えられてきたのでしょうが、それはそもそも適正規模を大きく逸脱した過剰さによって成り立たざるをえないものだったのかもしれません。
「消費者」という人などいないとする著者は、市場の虚飾性を実感していたのでしょう。競争が原則の資本主義経済ですから、他人と同じことをしているわけにはいかないんですが、その競争自体がフェアなものでなくてはならない。フェアな競争により市場は信用性を高め、適正規模の経済社会が形成されるのでしょう。何が適正なのかと言えば、誰もが「正直」でいられる状態っていうことなのでしょう。
インターネットを利用してインターネット的な考え方をすれば、そんな社会構造も実現できるというわけです。そのためには皆が常にコミットしていかなければならない。 ツールとしては簡便なものが猛スピードで普及してきました。でもインターネット的な意識自体が浸透するのはまだまだ先のことでしょう。
私もこうして小さな発信のようなものをしながら、後年本書がエポックなものとされることを願っております。
|
|
|
| 現在の投票
はい:3人(100%)
いいえ:0人(0%) |
|
|
|