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飯島耕一・詩と散文
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コメント・書評 |
待望の選集
安原顕
Nov 7, 2000 12:15:00 AM
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評価 ( ★マーク )
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| 待望の「飯島耕一選集」がようやく出始めた。A版・300 頁で3500円とはタダのような値段ではないか。にもかかわらず世界一民度の低い国日本では「bk1」で予約を求めたところゼロだった。ぼくは詩人、作家、仏文研究者飯島耕一をずっと愛読してきたが、何といっても秀作は、近年の長篇小説二冊『暗殺百美人』『六波羅カプリチョス』だろう。世界にも例のない「シュルレアリスム小説」の傑作だからだ。しかし、ぼくの知る限り、『暗殺百美人』をきちんと評価し得た批評家は中条省平唯一人だけだった。つまり、文壇もまた、民度が低い、低過ぎるのだ。今回の『誌と散文 1』には『他人の空』(53年・全)、『わが母音』(55年・抄)、『評伝アポリネール 二十世紀の列の先頭に立った詩人』(56年)、『ダダ・シュルレアリスム・映画』として、『悪魔祓いの芸術論』(59年)、『日本のシュールレアリスム』(63年)、『シュルレアリスムの彼方へ』(不明)、『島の幻をめぐって』(78年)、『男と女のいる映画』(82年)、『定型論争』(91年)の中から、著者の気に入った論考がピックアップされている。ぼくが飯島さんと仕事をしたのは1970年代、『海』時代のこと。詩はむろんだが、数多くの短篇小説、そして長篇『永井荷風』などを書いてもらった。ぼくは先日、「bk1」用に、飯島さんにもロング・インタヴューをした。とても面白い話が聴けたが、その中には、バルザックの長篇『娼婦の栄光と悲惨』(1500枚・藤原書店)を翻訳、この11月と12月に上・下が出るとの話題もあった。「bk1インタヴュー」でも多少触れたが、『1』にある「作品ノート」によれば、『他人の空』は銀座松屋スエヒロ近くにあった書肆ユリイカから刊行された。著者23歳、1953年の夏の終りのことだった。机上には、山本太郎『歩行者の祈りの唄』の原稿が載っていたらしい。昔、この詩集、持っていた。箱入りの厚い本だった。当時の伊達得夫は30歳を越えたばかりの年齢だったが、時間をかけて飯島耕一の詩作品全部に眼を通し、重々しく「いいでしょう、やりましょう」と言った。かくして『他人の空』は同年12月15日、250 部刷り上がる。この詩集、無名の詩人にしては珍しく新聞、雑誌に書評が出たことで、次回の『わが母音』(55年10月・300 部)から自費出版ではなくなった。そして、この2冊の詩集を出した間に肺結核の手術をし、清瀬病院で、同じく13病棟にいた吉行淳之介を知ったりする。 |
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