コメント・書評 |
日本が未熟だった時代の夫婦像
呑如来
Jul 27, 2002 7:37:00 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★
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今読むとかなり古めかしく思える作品群である。浮気をしながらも自分は悪くないと考えている身勝手な夫と、浮気されていることは薄々気づきながらも夫から愛されることだけを望む妻、などという図式は「男は仕事、女は家庭」といった男性原理がまかり通っていた時代のありふれた小景ではあったかもしれないが、現代の女性はそんな男とは初めから結婚などしないだろうし、そういう男だとわかればさっさと離婚するのが当然であるから、作品に感情移入もできないし心理描写がうまいと感嘆することも難しい。人が自分の若かりし頃を振り返るときのように「こういう時代もあったのだなあ」と気恥ずかしく感じさせられるのみである。とはいえ、この小説には、確かにこういう夫婦が多数派を占めた時代があったのだという証としての価値はあるだろう。 それにしても夏目漱石の描いた夫婦像の方がはるかに現代人のそれに近いのはどういうわけなのだろうか。 |
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