コメント・書評 |
『アウトサイダー』その他の恐怖
トリフィド
Jul 25, 2002 5:22:00 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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クトゥルー神話の創始者であり、20世紀最後の怪奇小説作家である H.P.ラヴクラフトの全集の第3巻。この巻から、編者/翻訳者は大瀧 啓裕氏に交替、より網羅的な構成になっている。この巻には、ラヴ クラフトの創作の各時期を代表する作品を収録したとのこと。収録 作は以下の通りである:
「ダゴン」 「家の中の絵」 「無名都市」 「潜み棲む恐怖」 「アウトサイダー」 「戸口にあらわれたもの」 「闇をさまようもの」 「時間からの影」 「資料: 履歴書」
「アウトサイダー」——シュールなヴィジョンを見せる、不思議で 魅惑的なストーリーである。古めかしい文章もすばらしい。ポオの 影響も濃厚な異様な作品である。わたしは以前にもこの物語に接し たことがあったらしく、作者もストーリーも忘れていたが、この物 語が見せる異様なヴィジョンだけは記憶していたという代物。なに しろ夢に見てしまうのだ。まぎれもない傑作である。 「闇をさまようもの」——ロバート・ブロックと「殺し合い(^◇^;)」 をやったことで有名な作品。打ち捨てられた教会の探索、謎の宗教 団体「星の知慧派」、〈輝くトラペゾヘドロン〉など、幻惑的なシ チュエーションや事物がすばらしく魅惑的。 「時間からの影」——クトゥルー神話大系の根幹をなす存在のひと つである〈大いなる種族〉を巡る重要な作品。この地球の本当の姿 を概観する暗澹たる物語である。
ラヴクラフトが自らを語った「履歴書」と、大瀧氏による27ページ に渡る巻末の作品解題もすばらしい。豊富な資料を収めた読み応え のある内容の巻である。
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