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BOMBアイドル30年読本  GAKKEN MOOK
懐しのアイドルから今をときめくアイドルまで全公開!

BOMBアイドル30年読本(学研パブリッシング) BOMB編集部 編
税込価格: ¥1,260 (本体 : ¥1,200)
出版 : 学研パブリッシング
発売 : 学研マーケティング
サイズ : 21cm / 193p
ISBN : 978-4-05-605882-6
発行年月 : 2010.3
利用対象 : 一般

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内容説明

創刊30周年を迎えたアイドル誌『BOMB』の全362冊を完全プレビュー。夢中になった懐かしのアイドルから、今をときめくアイドル最新事情まで、『BOMB』が見てきた秘話を全公開!

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(SBMって?)

コメント・書評

日本アイドル史の副読本。「読み物のBOMB」の真骨頂、創刊30年を独自のスタンスゆえの濃淡を付け概括する。
光森長閑
May 11, 2010 1:05:53 AM
評価 ( マーク )
★★★★★

 月刊誌「BOMB」といえば、女性タレントのグラビアが誌面に連なる男性向けアイドル誌です。露骨なまでの水着グラビアで鼻の下を伸ばす男性読者の目を引くことも珍しくありません。
 しかしながら、派手なグラビアの影に隠れがちですが、時折組まれる特集などの読み物ページも安易に見過ごすことはできません。元来学習誌が専門の出版社だからなのか、他誌に比べて骨組みがしっかりとしており、完成度が高いイメージがあります。
 今般「BOMB」が創刊30周年を迎えたのにあたり、記念特別編集として本誌が編まれました。「BOMB」の読み物ページに長いこと接してきた読者としては、「BOMB」の活字の力が結集した真骨頂という印象を持つ一冊です。
 巻頭には投稿誌時代の6冊を含めた今年4月号までの表紙ダイジェストが、また、かつて誌面を飾った往年の名アイドルたちのインタビューページにはグラビアなども掲載されていますが、紙数からするとわずかです。圧倒的に大部分は活字、しかも細かい文字が延々と綴られています。
 昨年休刊となった「kindai」の創刊60周年記念として刊行された「80's アイドルデビュー伝説シリーズ」などは誌面の総集編としての資料的意味合いの強いものでしたから、同じ記念誌とはいっても相当趣を異にしています。
 投稿誌として創刊された1979年(アイドル誌に衣替えしたのは翌1980年)以降の30年間のアイドル界の諸情勢を、写真や当時の記事の焼き直しなどではなく、すべて活字にして振り返っているのですから、文字通りの労作です。これだけの冊子を作れる「BOMB」の活字の力を改めて認識させられます。
 活字で埋め尽くされた構成はもちろんのこと、大きさといい、グラビアの全くない表紙といい、手に取った印象は「教科書」です。
 ただ、「教科書」と言い切れるだけの中立性・公平性を有していないのもまた「BOMBらしさ」ともいうべき味わいです。
 おニャン子やハロプロといった一時代を制したアイドル界の本流に棹差さなかった独自の編集路線は記憶に残ります。おニャン子に関しては初期の立ち遅れは次第に取り戻したものの、兄弟誌「Momoco」を抱えていたゆえの舵取りの難しさが本文中でも指摘されてします。ハロプロに関しては全盛期の掲載はほぼ皆無に等しく、並走したグラビア誌「UP to BOY」などが一本槍に猛進したのとは極めて対照的だったのを思い起こさせます。
 「BOMBらしさ」という主観が交じっているため、単なる過去の回顧には留まりません。同じ4番バッターでも、ドラフト1位なのか、育成枠からの叩き上げなのかでは印象はまったく異なります。単なる写真やデータの羅列だけではそうした背景は理解しづらいですが、フィルタリングされることで事象の軽重や濃淡がはっきりと浮かび上がっています。当時の空気感までもを伝えられるのは「BOMB」のなせる業でしょう。
 さらに一層芯を捉えてくると、快哉を叫びたくもなります。おニャン子が長年かけて構築されてきたアイドル界の「掟」を打ち破ったことによる負の部分、あるいは冬の時代に突入したアイドルがキモいオタク文化の象徴と化した点などが直言されている箇所などは、小気味よささえ感じます。1993年の項で「孤高の存在」と化した酒井美紀さんに「特別な思いを感じずにはいられなかった」というのも、冬の時代前と後をつなぐ懸け橋という観点から貴重な記述です。
 反面、当然ながら主観が芯を外していることによる「BOMBらしい」違和感も散見されます。1つ挙げれば、冬の時代終焉後の現在につながる「アイドル」という語の用法を再定義する箇所でしょうか。「アイドル」という語がその触れ幅から事実上捻じ切れている現在においてもなお何の躊躇もなく、「BOMB」は「若手女優」をまったく同じ「アイドル」の範疇に含めています。本文ではその大本をたどれば1997年「広末涼子VSSPEEDの二大ブーム到来!」の項に突き当たる感がありますが、かなり力ずくとも取れる文脈が展開されています。
 「アイドルソング100選」「アイドル青春ドラマ100選」に挙げられている楽曲・ドラマも、世間的に王道と言えるストライクゾーンからボール1~2個分外して選考している感覚があります。年ごとにまとめてある「アイドル10大トピックス」などは輪をかけて敬遠四球という感も否めません。それでも、2000年の項で1位に「六番目の小夜子」を挙げているあたりはその効果ありか、読者心理を的確に突いてきて、個人的に大いにツボにはまりました。
 ただ、想像よりは「BOMBらしさ」は抑えられている印象です。全編にわたって隈なく「BOMBらしさ」が発揮されているかというとそうではなく、アイドル冬の時代以前と以後でスタンスが大きく異なっているからでしょう。
 冬の時代前については「棺を蓋いて事定まる」と言うべきか、すでに評価の固まっている事象について存分に筆が振るわれています。
 反面、冬の時代以降の経過については、つとめて冷静沈着に事実の列挙のみに留めている感があります。
 結果として先述の「アイドル10大トピックス」は現在に近づくほどストライクゾーンから外れていく反比例をもたらしています。「事定まっていない」事象から論点を逸らし、事象に筆を合わせなければならない苦慮が伝わってくるようです。「BOMBらしさ」が影を潜めている文面に砂を噛むような印象を持つのはもちろんですが、一方で「事定まっていない」事象を曲解されていない安心感を感じるのは狙い通りなのでしょう。
 単位取得や試験対策のための本流を汲み取るのが「教科書」なら、本誌は支流に踏み込み、主流ではない主観も交えて事象を深読みするための日本アイドル史の「副読本」と言うべきでしょう。
 「教科書」であれ「副読本」であれ、軽快に読み飛ばせるボリュームでないことには違いなく、全くアイドルに興味のない人や、昨今ファンになったばかりの人が通読するというのは想定しづらい光景です。だからこそ、「BOMB」の誌面を通してその時折々のシーンを垣間見てきた長年の読者にとっては、活字を追いながらが脳裏に蘇ります。
 アイドル冬の時代、さらには長引く出版不況を経て、時代に棹差してきたアイドル誌の多くは休刊やコンセプトの変更を余儀なくされてきました。そのなかで決して本流を歩んできたわけではない「BOMB」が今や老舗中の老舗となり、30年を概括する冊子を刊行するというのも塞翁が馬という気がします。その「BOMB」は今やほぼ8割方は水着グラビアが占めるようになり、AKB48も掲載するなど、次第に「棹差す」ようになっています。今後「BOMB」の記事はどのようなアイドル史を綴っていくことになるのか、グラビアばかりでなく本誌のような活字の力も折を見て発揮してほしいと思います。
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