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エバーグリーン

エバーグリーン(双葉社) 豊島 ミホ著
税込価格: ¥1,470 (本体 : ¥1,400)
出版 : 双葉社
サイズ : 20cm / 267p
ISBN : 4-575-23555-5
発行年月 : 2006.7
利用対象 : 一般

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内容説明

中学校の卒業式で、10年後の再会を約束したシンとアヤコ。夢をかなえるため、シンは地元に残りアヤコは東京に向かい…。ほろ苦い青春の日々を通して描かれる、切なさにキュっとなる恋愛小説。

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コメント・書評

思春期の思い出
kumataro
Dec 4, 2009 11:21:10 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

エバーグリーン 豊島ミホ(としま) 双葉社

 "Evergreen" というのは、どういう意味だろう。日本語訳は「常緑樹」とか「いつまでも若々しい」ですが、わたしは、「まだ青い」と解釈しました。青春時代のほろ苦(にが)い思い出です。
 「間宮兄弟」江國香織著、「戸村飯店青春100連発」瀬尾まい子著など、なぜ女性作家たちは、主人公を男子で設定することが多いのだろうか。
 中学校の音楽バンドのメンバーたちが登場します。主人公は宮本進(シン君)ギタリスト、山田君がベース、三村君がドラム、加賀君がボーカル、吹奏楽部の松田綾子さんがシン君に心を寄せて、ふたりは近づきます。ひさしぶりに読むさわやかな物語です。女子の心理は柔らかでまともです。シン君と綾子さんは、卒業式のあと、10年後のこの時間、この場所で再会しようと約束します。それは、3月14日午前10時、通学路の道です。シン君は演奏家を目指し、綾子さんは漫画家を目指します。ただ、本当に愛し合っていたら、10年間会わないという男女はいないでしょう。
 わたしは読み進めながら思いました。10年後のふたりの恋愛は成立しない。それぞれに恋人ができるでしょう。過去と現在にあるふたりの恋人の両方を手にすることはできない。再びシン君と綾子さんの恋が燃え上がったとしても両者の恋愛は成就できないだろうし、それぞれ既に居る恋人も失うことになるでしょう。これは同性同士でもいえることで、若い頃に仲がよかった友人同士が数十年ぶりに会っても、もう昔のように無邪気に遊ぶことはなくなるのです。大人になるにつれて、利害関係だけでしか人とつながれなくなります。
 舞台は東北の雪国という設定です。山が近くにある土地のようです。中学校の卒業は節目です。古い話ですが、チューリップというバンドの歌声が脳裏によみがえりました。シン君は、何も無いこんな田舎町で一生を過ごしたくないと叫びます。
 後半のラブホテルがらみの話には無理があります。初恋の人には会わないほうがいいと思う。相手への印象と期待が大きすぎて、がっかりする結果になります。
 最後に、何も無い田舎町で、平穏無事に一生を過ごすことは、素敵なことです。
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