コメント・書評 |
温泉の本格的な楽しみ方、活用の仕方の手ほどき
ドン・キホーテ
Nov 29, 2009 9:33:37 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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世はまさに温泉ブームである。それだけに温泉にまつわる悪い話も時折報道されている。一時は温泉の質に関するスキャンダルが世間を騒がせた。ブームに乗ってこれだけ掘削が盛んになると、いよいよ温泉自体の枯渇だってありうる話である。都内の温泉で爆発事故があったのもそれほど昔の話ではない。
著者の石川は、先ず温泉の表示について疑問を呈している。我々がよく耳にする「原泉掛け流し」という言葉、さらに「循環方式」、「加水方式」など旅館やホテルのパンフレットを見れば書かれており、目にするのだが、これらの定義となるとどこにも書かれていない。勝手に定義しているという。本書ではこれらの見分け方などを伝授している。
温泉の質に関することは、供給側の問題であるが、需要者側の温泉に対する態度にも問題があるという。それは温泉へ行く期間についてである。たいていは1泊2日というきわめて短期、あるいは最近に至っては日帰りという落ち着かない日程も増えている。
湯治とは言わないまでも、欧州の温泉では2~3週間は滞在するという。そんな長く居ても退屈だという人もいようが、欧州の温泉場では長期滞在を前提とした施設が完備しているという。わが国でもせめて2泊3日を目指してほしいと石川は言うのだが。
本書における石川の視点は一貫している。温泉の価値を見直してほしいということである。折角、行くのだから温泉の本来の効能を見直すべきだということであろう。まことにもっともである。温泉は単なる温水ではない。地中深く眠っている多種多様な地球資源の賜物である。それを十分生かすべきなのだ。
商業主義に走るあまり単なる旅館に付属する風呂であれば、中身はどうでもいいかといえば、そんなことはない。しかし、現実には供給側の手にまんまと乗せられて循環させたり、水をやたらに加えたり、温泉の成分などどこかへ飛んでしまっているのが現状である。
たしかに、どこでもよい観光地に行くのではなく、温泉に浸かることが楽しみならば、もう少しその中身に関心を持つべきであろう。療養的な効果にも是非再度目を向けて本来の温泉の温泉としての利用をして欲しいというのが石川の本書での主張である。
しかし、これには私はYes and Noである。Yesはすでに述べたとおりであるが、Noは温泉ブームというのは、供給側が作り出したブームである。このブームに乗る一般の観光客が求めるものは、温泉だけではないのだ。温泉と並んで食事もロケーションも求めている。温泉の効能だけを欲しているのではない。つまり、観光の一つの要素が温泉なのである。これを一般観光客に求めるのは無理ではなかろうか。
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