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会長の切り札  角川文庫
逆転プランの用意あり!

会長の切り札(角川書店) 鷹見 一幸著
税込価格: ¥600 (本体 : ¥571)
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出版 : 角川書店
発売 : 角川グループパブリッシング
サイズ : 15cm / 286p
ISBN : 978-4-04-425726-2
発行年月 : 2009.12
利用対象 : 中学生   高校生

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コメント・書評

80点で得る幸せ
くまくま
Nov 28, 2009 11:51:54 AM
評価 ( マーク )
★★★★★

 樫森高校v.s.桜川女子高の人間モノポリー対決の後半戦が開始される。自治体と高校の統廃合問題にもついに決着がつく。ゲームに勝敗はきっちりつくけれど、本当の意味での敗者は生まない終わり方になったんじゃないかな?

 この落とし所は地方自治体のレベルではほとんど満点なんだろうけれど、もう少し大きいレベルでみると単に分布にムラが出来ただけの結果とも言える。流入出が均衡していればお互いに影響は出ないけれど、ある地域への流入量が増えれば流出元では不足が生じるわけで、負債の肩代わりをしてもらっているだけに過ぎない。
 戦後、右肩上がりの経済成長をしてこれたのは、世界人口が右肩上がりであったことと日本製品が価格と品質の両面で優位性があったからだろう。そしてその結果として、子供の数も右肩上がりの成長をし、学校数も増加していった。
 ボクが学校に通っていた頃には、すでに児童・生徒数は減少を始めていたけれど、どんどん校舎は新築されていたし、それが追い付かずにプレハブ校舎で授業をする、なんてこともあった。だから、こんな頃の、キャパシティいっぱいいっぱいだった時代のハコモノが、少子時代に維持できないのは、ある意味当たり前のことなのだ。だから今回は落ち着くことろに落ち着いたけれども、そこは絶対安定の場所ではないので、常にその場所を維持し続ける努力は必要となる。

 右肩上がりの成長が出来るのは、奪っても奪っても尽きないリソースがどこかにあるから。それは、奪う側が相対的に少数だったから出来たことでもある。もしも奪う側が増えてきたら?その時は、無限にあるように思えたリソースが、実は限られたものだったと知る時だ。
 現在、日本という国は確実に奪う側にいる。どれだけ貧困層が増えたといっても、泥水を啜って生きなければならない環境ではない。きれいな水が簡単に手に入るのは、絶対的に恵まれた側であるというのが実情であろう。
 発展途上国と呼ばれる国々は、かつての日本の様に、安く、満足のいく品質を備えた製品を輸出し、徐々に奪う側の立場に立っていくだろう。そうなれば、相対的に日本のポジションは落ちていく。国内で昔を懐かしんでいるうちに、周辺のレベルが上がっていくのだ。
 そうやって大きな塊となった奪う側が、みんな同じ様に幸せになる方法はないのだろうか?その確かな方法は分からないけれど、かつてと同じように右肩上がりを目指すならば、奪いあうパイ自体を大きくするか、奪う量が少数でも同じだけの幸福度を得られる様にするしか、論理的に解はないだろう。
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