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星新一
一〇〇一話をつくった人

星新一(新潮社) 最相 葉月著
税込価格: ¥2,415 (本体 : ¥2,300)
出版 : 新潮社
サイズ : 20cm / 571p
ISBN : 978-4-10-459802-1
発行年月 : 2007.3
利用対象 : 一般

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内容説明

【講談社ノンフィクション賞(第29回)】【日本SF大賞(第28回)】【日本推理作家協会賞(第61回)】【星雲賞 ノンフィクション部門(第39回)】【大佛次郎賞(第34回)】製薬会社の御曹司、終生つきまとう“負の遺産”、創作の舞台裏、生き残りをかけた戦い…。ショートショートで「未来」を予見した小説家には封印された「過去」があった。関係者への取材と遺品から、謎に満ちた実像に迫る。

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コメント・書評

子供の頃のあこがれの人でした
みなとかずあき
Nov 1, 2009 6:43:51 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

巻末の参考文献を除いても全部で560ページを超える本なんて久しぶりに読んだ気がする。読む前にも何度か躊躇したのだけれど、書かれているのが星新一なので読まないわけにはいかないとは思っていた。そして読んでみて、ただただ圧倒されるだけである。それは、本の分厚さだけの問題ではない。
これでも星新一を初めて読んでから30年以上もたつので、また一時期は日本SFを読み漁ろうとしていた時もあったので、ここで書かれていることの大雑把なところは知っていることではあった。本の帯には「知られざる生涯をたどる」というようなことも書かれているが、ちょっとしたSFファンなら知っているだろうことのようにも思う。
それでも星の幼年時代や少年・青年期の家族のありようや、父親の死後の製薬会社の一件などを知ると、改めて星新一の人となりを形成したものの多くがここにあるのだということに気づかされる。
作家になるあたりのことも、いくつかの偶然や人との巡り会いによっていたのだということがわかる。
そして、ショートショートの作家として人気が出るようになってから、1001編を目指していくあたりの星の内面については、初めて知るようなこともあった。
総じて語り口は静かで客観的にあろうとしたのがうかがえる文章で、それも星新一の生涯を語るのに適していたのかもしれない。主観を排するようにして、何人もの証言や残されたメモなどから星の姿に近づこうとしているところは好感が持てる。
だが、あまりに静かな語りだからか、少々物足りなさを感じるところもあった。父親の死後会社を引き継いでもうまくいかず、人手に渡さざるを得なかったあたりから作家デビューをしていくところは、もっと星新一自身が苦悩していたところではないかと思う。そのあたりが会社をあきらめてしばらくすると比較的速やかに作家になっていったように読めてしまう。
あるいは、ショートショートが普通の作家並みの作品であることが認められないでいた頃ももっと悩んでいたのではないだろうか。
そして、1001編を達成したあとの姿も同じような気がする。
それでもこの本は、久しぶりに伝記を読んだという気持ちにさせられた。
子供の頃にいわゆる偉人の伝記を読んだ時と同じような、「ああ、星新一と言うのはすごい人だったんだなあ」ということを改めて感じさせてくれた。
陳腐な言葉ではあるが、労作だと思う。
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