コメント・書評 |
ギャラリーとはどういう場であろうか? 行ってみようかという気にさせる
ドン・キホーテ
Oct 25, 2009 9:30:06 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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ここでいうギャラリーとは、販売目的で絵などの美術品を展示している場所を言う。美術館は展示するための場であるが、ギャラリーはそうではない。勿論、見るためだけに入場してもよいのだが。著者の山本氏はもう30年以上も前から単なる鑑賞ではなく、ギャラリーを訪れて絵画などを購入しているという。
いわばコレクターではあるが、自分と同世代の画家の絵を購入して、自分と同時進行でその画家の成長を見ていくことに楽しさを見出している。これ以外にも著名画家の若き日の作品を集める楽しみもある。私も「週末は美術館」には行くが、ギャラリーには行ったことがない。
山本氏が本新書で強調していることは、単に美術館で有名画家の作品を見て楽しむだけが美術に関する楽しみ方ではないというのである。しかし、サラリーマンがギャラリーに入っていきなり絵を購入するのには、かなりの心理的なハードルを越えなければならない。ギャラリーという場所は見るだけでも何の問題もない場所であるという。人々の先入主の中には入ったら必ず買わなければいけない雰囲気を感じる人が多いのだろう。
たしかに、美術館などに比べれば、スペースもそれほど広くないので、圧迫感を感じて自由に見るという訳にはいかないかもしれない。しかし、ギャラリーの係員が飛んできて色々とご注文を聞いてくるということもないようだ。自由に展示品を見せてくれるのだ。
また、購入する絵の価格も気になるところである。アート・バブルが破裂したとはいえ、一般には美術品は高いというイメージがどうしても離れない。しかし、新若い画家たちの絵が数百万円もするわけはない。2~3万円の絵を購入するという。
そして30年を経ると、その所蔵絵画も少なくない量になる。山本氏には今や絵画の貸し出しの依頼を受けるようになったり、講演の依頼もあるという。継続は力というが、積み重ねの実績は評価されるに値するものになるようだ。
ギャラリーに入って若い画家の作品を買うことによって、支援につながるというのはメセナ活動の一種に他ならない。購入には資力の問題もあるのだが、それが若い芸術家育成になるのであれば、趣味とはいっても立派な社会貢献活動である。買う、買わないは別として、本書を読んでとりあえずギャラリーに入ってみようという気になった。
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