コメント・書評 |
こどもたちに読ませたい1冊
kumataro
Aug 8, 2009 9:54:37 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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怪談 ラフカディオ・ハーン 湯浅卓訳 PHP研究所
「16歳の教科書」講談社で紹介されていたことが読み始めたきっかけです。訳者は、テレビのバラエティ番組で見かける湯浅氏です。 「耳なし芳一」優(すぐ)れた文章です。構成もいい。わたしは小学校生の頃に、小学○年生というようなタイトルの雑誌で読みました。今年、奈良市東大寺二月堂のお水取りで見た炎の玉を思い出しました。鬼火です。また、昨年5月に見た北九州・下関にある関門大橋の周辺を思い出しました。源平合戦の地です。この本は、こどもたちに読ませたい一冊です。 「鴛鴦(おしどり)」この本のタイトルは怪談ですが、怖くありません。死が身近に感じられるのは、昔の日本人の暮らしと直結していたからなのでしょう。日本語訳は、おどけた部分、あるいはくだけた部分があるのですが、とても読みやすい。こどもさん向けなのでしょう。 「おていの物語」「乳母桜(うばざくら)」「如才(じょさい)ない交渉」「鏡と鐘」鏡と鐘では、鏡の意味を考えました。人間は、古代から外見を気にしていたのか、それとも鏡は占いの道具だったのか、あるいは心を映すものが鏡だったのか。 「食人記(じきにんき)」この本の全体をとおしてですが、集中力をもって読まないと場面を想像することができません。夢想国師(むそうこくし)というお坊さんは名付け方がいい。五輪石(ごりんいし)、これはお墓の形状なのですが、わたしは、鎌倉の縁切り寺の敷地内にあった墓地で初めて見ました。苔むしていて、なんだかおでんの形のようで、どうしてこのような形状のお墓なのかと疑問をもちました。この本のこの部分に解説があり、地・水・火・風・空の意味だそうです。風林火山の由来もそこに関係があるのかもしれません。 「むじな」この本がラフカディオ・ハーン(小泉八雲)によって書かれたのは、1904年(明治37年)となっています。今から105年前です。先月見学した京都国立博物館が確かその頃に建設されています。わたしの亡祖父が生まれたのもその頃だと思います。むじなはタヌキのことですが、その頃の日本では、日常的に見かける動物だったのでしょう。 「ろくろっ首」記述はリアルです。西暦1400年頃のお話となっています。室町時代です。話ははずれますが、江戸時代が200年間ぐらい、平安時代が400年ぐらい、とても長く続いています。現代は何年ぐらい続くのだろうか。また、次の時代はどんな時代になるのだろうか。永久に同じ時代が続くことはなさそうです。 この本と同時期に読んでいた「悼(いた)む人」の主人公、坂築静人(さかつきしずと)君が思い浮かびました。彼ならろくろっくびたちのために彼らを悼む儀式をするのでしょう。 「青柳の物語」「十六桜」「安芸之介の夢」最後のこれら3点はもともとの作品の完成度が劣るのか、意味をとることができませんでした。
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