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ロレンツォ・デ・メディチ暗殺
中世イタリア史を覆す「モンテフェルトロの陰謀」

ロレンツォ・デ・メディチ暗殺(早川書房) マルチェロ・シモネッタ著
熊井 ひろ美訳
税込価格: ¥2,730 (本体 : ¥2,600)
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出版 : 早川書房
サイズ : 22cm / 305p
ISBN : 978-4-15-209006-5
発行年月 : 2009.2
利用対象 : 一般

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内容説明

ウルビーノ公フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロが遺した謎の暗号書簡。近年発見・解読されたこの密書が示すのは、恐るべき国家転覆計画の全貌だった。衝撃の歴史ノンフィクション。

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コメント・書評

正直、勿体ない内容です。暗殺の陰にいたのは誰か、ということが歴史学者にとっては重要なんでしょうが、暗号がいかに解かれたか、という部分をもっと描けば、ノンフィクションとしての完成度は高まったはず。いい編集者がいればねえ・・・
みーちゃん
Jul 28, 2009 8:07:19 PM
評価 ( マーク )
★★★★

今回はデータ篇が充実しているので、それは後半に廻して最初から感想を書きます。大変わかりやすい内容で、読みやすい本なのですが、塩野七生のようなフィクション風の語り口にしたので、衝撃的な発見に基づく事件が、最初からそうであったかのようにしか受け取られない気がします。

ルネサンスを文芸復興としか捉えないのが大半の日本人にとって、ロレンツォ・デ・メディチ暗殺自体が遠い話で、正直、モンテフェルトロが事件の黒幕であろうがなかろうが、日本人のルネサンス観を変えるようなものではないわけです。シモネッタにはそういう考え方はまったくありません。つまりシモネッタにはイタリア人、あるいはルネサンスオタクしか眼中にないんです。

ですから、日本の読者はこの本で明かされた事実を前にしても少しも驚かないと思います。ああ、そうか、それにしても当時のイタリアっていうのが群雄割拠状態で、しかも法王が陰謀好き、ちょうど日本の戦国時代直前、足利義昭が陰でコソコソしていた、あのころを思えばいいんだな、とか、案外あっさり許しちゃうんだ、とか思う程度ではないでしょうか。

私にいわせれば、今の日本の空前のミステリ・ブームを考えて、もっと暗号を解読したあたりに焦点をあてたほうが、発見とか意外性を訴えられたんじゃないか、私は思います。日本だけではありません、ヨーロッパ圏がいだったら、絶対にそっちが正しい。とはいえ、驚きの有無と面白さが正比例の関係にあるわけではありません。やはり、日本人には馴染み深いルネサンス、話は大変面白い。

それと図版です。けちけちせずに一頁を割いたり、時には見開き全部が図版だったりするのですが、レイアウトがいいのと、選ばれた図がいいのでしょう、大変理解しやすい構成になっています。唯一もったいなかったのは、発見という大事件が、この本を読むだけでは殆ど読者に伝わらないことです。

それと目次。私は日本語の目次を見ながら、ああ、第一部と第二部で同じような言葉を使うなど工夫しているな、と思ってさらっと流した後、あれ、なんで英語のタイトルが出ているんだろう、一応写すか、なんて思ってみていて、あれ、こんな悪戯をして・・・なんて思いました。

これはシモネッタのせい、というよりも装幀家、或は編集担当の問題だと思うんですが、せっかくの遊びが伝わりにくい。要するにシモネッタ(或は早川書房)が、何を見せようか、っていうところで工夫が足りません。繰り返しますが、訳文も含め全体として非常にいいんですが、そこらがもったいない。でも、面白い本であることは間違いありません。

数多くいる塩野ファンにもオススメです。むしろ、塩野がこの本をどう読んだかが知りたいところ。そういう意味では、彼女の一文を得られなかった、或は得ようとしなかった早川書房の罪は重いんじゃないでしょうか。塩野七生の言葉の有無だけで売れ行きが大きく変わった、私はそう思います。

以下はデータ篇。まずはブックデザイン関係。

Cover photo
Federigio da Montefeltro(1422-82)Duke of Urbino,c,1465(tempera on panel)by Francesca,Piero della,(c,1415-92)Galleria degli Uffizi,Florence,Itary/Giraudon/Bridgeman Art Library/amanaimages

カバー折り返しの言葉は

478年4月26日、フィレンツェのドゥオーモで、
ミサの最中に2人のメディチ家兄弟が襲撃され
た。弟ジュリアーノは即死。若き当主であり、
事実上のフィレンツェ君主である兄ロレンツォ
は、間一髪で難を逃れた。凶行に及んだ同家
の宿敵パッツィ家の関係者は、ことごとく捕らえ
られ処刑された。世にいう「パッツィ家陰謀事
件」である。だが、その後のイタリア史を大きく
変えたこのクーデター事件は、いまだに謎を残し
ている――「黒幕」は誰だったのか?
2004年、この積年の謎はついに解決をみる。
気鋭の歴史学者である著者は、ルネサンスに名
だたる一人の人物が、時のローマ教皇シクストゥ
ス4世らに宛てた、複数の暗号書簡を発見し
た。苦労の末解読されたその内容は、彼が教
皇と結び、事件に積極的に関わっていたことを
示すものだったのだ。
その人物の名は、フェデリーコ・ダ・モンテフェ
ルトロ。15世紀最強の傭兵隊長にして屈指の
芸術パトロンであり、ルネサンス文化興隆の立
役者として知られる。そして彼は、襲われたロレ
ンツォ・デ・メディチの盟友と考えられてきた人物
だったのだ……。
「イタリアの光」として名を馳せるこの男の、500
年にわたって隠されてきた驚くべき素顔とは? 
この新事実の発見は、我々の歴史観をどのよう
に塗り替えるのか? 華やかなるルネサンス期イ
タリアの、権謀術数に満ちた裏面を照らしだす、
衝撃の歴史ノンフィクション。

目次は

主な登場人物
プロローグ
第1部 一四七六年冬~一四七八年春
 1 ミラノのMは殺人のM    Milan Is for Murder
 2 過度の用心 Oberly Cautious
 3 すべてが語られた Nothing Unsaid
 4 見えざる手 The Invisible Hands
 5 彼らを消せ! Eliminate Them!
第2部 一四七八年春~一四八二年夏
 6 フィレンツェのFは恐怖のF Florence Is for Fear
 7 過度な手段 Extreme Measures
 8 生命の危機 Lives at Stake
 9 南行き Traveling South
 10 安らかに眠れ Rresting in Peace
第3部 システィーナ礼拝堂とボティチェリの《春》
 11 不吉な終焉 Ominous End
 
 あとがき
 謝辞
 解説――石鍋真澄
 図版クレジット
 出典と注
 参考文献

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