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英国人写真家の見た明治日本
講談社学術文庫
この世の楽園・日本
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コメント・書評 |
知りたい昔の日本
kumataro
Jul 20, 2009 9:52:45 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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英国人写真家の見た明治日本 ハーバート・G・ポンティング 長岡祥三訳 講談社学術文庫
わたしは、テレビや映画ではない本当の昔の日本の暮らしを知りたい。創作や脚色がされていない日本人の過去の真実の生活が知りたい。 著者は今から約100年前の日本に3年間滞在しています。明治41年ぐらいですからわたしの祖父母が生まれた頃ぐらい、わたしがこどもの頃生きていたひいおばあさんが若かった頃でしょう。 冒頭にある奈良市興福寺の五重塔、猿沢の池、栃木県日光市東照宮、中禅寺湖と男体山など、以前訪れたところの写真を見ると、同じ場所にわたし自身も立ったわけで、なにかしらの感慨が湧き出してきます。 69ページの解説、お稲荷さんの狐は女神を表すとのこと。わたしは始めてそれを知りました。日本家屋の部屋とか庭とかの記述は、祖父の生活記録を見るようでした。現代社会には、人間が生きていくうえで必ずしも必要のないものがあふれています。そして、それらの操作や管理には細かな注意を要します。心身ともに疲れる生活を今の日本人は送っていることがわかります。 全編に渡って、当時の日本の美しい自然風景が綴られています。有名な観光地ではなくても日本中が「美」に包まれていました。 204ページ、伝説によれば、富士山は一夜にして隆起してできた。同時に琵琶湖ができた。これも初耳です。「怪談」ラフカディオ・ハーン著、いつか読んでみたい。 256ページ、日本人女性とくに高等教育を受けた女性たちは感情を表情に表さないように教育されている。仮面をつけているという記述にはうなずきました。いっぽう、そうではない女性たちは喜怒哀楽をあからさまに出す、悲しいときは大粒の涙をぼろぼろこぼすとあります。 264ページ、わたしが昨年の秋に訪れた広島の記述があります。一夜(いちや)の宴席の記録です。平家物語の上演がていねいに報告されています。このときはまだ、第二次世界大戦は勃発していませんし、原爆の投下も予想されていません。そして当然、安芸の宮島に関する記述も残されています。 270ページ、イギリス艦隊と戦った薩摩兵士のお話は感動的です。すばらしい。 日本は日本人女性によって支えられてきたことがわかります。 この本の終わりに近づくにつれて、どうして奈良の記述がないのか首をかしげたのですが、訳者の解説では、記録の量が多すぎたので割愛したそうです。宇治、奈良、日光、箱根、松島、北海道、東京、彦根などの記述が省略されています。自然探訪の記述が多い。わたしとしては、暮らし向きの記述に飢えていますので、ちょっと残念でした。
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