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消費社会から格差社会へ
中流団塊と下流ジュニアの未来

消費社会から格差社会へ(河出書房新社) 三浦 展著
上野 千鶴子著
税込価格: ¥1,470 (本体 : ¥1,400)
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出版 : 河出書房新社
サイズ : 19cm / 222p
ISBN : 978-4-309-24417-4
発行年月 : 2007.4
利用対象 : 一般

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内容説明

トレンド化した「下流社会」から、男が嫌いなスカートの下のパンツ、自己実現のタコツボ化、マイホームからホームレスへ、おうち系「負け犬女」対「下流男」まで、消費から格差へ移行する社会の歪みを語り下ろす。

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コメント・書評

<ソース、キボンヌ?>というより<思考能力は?>の方が大事!
T.コージ
Apr 23, 2009 1:42:15 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

●バブルの当事者であり立役者の証言
 「誰が言った? どこにあった?」と口を尖らせてソースを問う子供みたいに、ネットでは自らの思考能力の無さに応じてソースへのオーダーが強度を増すのかもしれない。問題はソースのデータベースの小ささであり、さらには思考能力の無さがソースへの問いで帳消しになるかのような矮小なネットの倫理かもしれないのに、だ!?
 
 『下流社会』以来ネットの書評では反発されることが多い著者だが、現実のレスポンスではそういった否定的な反応は思ったよりずっと少なかったらしい。
 
 「サーチエンジンで引っ掛かることだけが情報ではない」(『「ひきこもり国家」日本』高城剛)という真っ当で今こそ必要な問題意識のある人には絶対にオススメの一冊が本書。
 ここしばらく80年代ものが話題だったりしたが、2次資料のパッチだったり、手堅くまとめてあっても内容的にはコピペだったりする書籍も少なくない。80年代をリアルに知るには、80年代を生きた人間の証言というものがベストなのは異論が無いだろう。
 
 オタクからメジャーあるいは商業路線にのったのが泉麻人であり秋元康だが、他方でオタクをオタクらしいジャンルのまま商業ベースにのせていった現場にいたのが大塚英志だ。
 そして一般消費にいちばん影響をあたえた西武・パルコ系統のカルチャーを演出したのが三浦や上野だったのだ。

●バブル経済をバックアップした京都学派!
 京都学派が主導しバックアップする事業体があり、上野千鶴子はそこでマーケティングの仕事を請け負いやがて社会学者となったいきさつや、セゾンの堤清二とパルコの増田通二という両雄が高度消費社会の最先端をリードし、浅田彰が読者であったことを表明するパルコ発行のサブカル本?「ビックリハウス」などの、当時の情況と舞台裏が当事者によって語られている必読の資料だ。失われた10年以前のバブル経済前後の仕掛人たちの証言がここにある。研究や調査での資料読みとは違うリアルな記録といえるだろう。
 同時期にロックを聴くという最大公約数以外の何も持たずにミニコミ「ロッキンオン」をスタートした渋谷陽一のようなまったく在野の、思想も方法も自由でロックなヤツもいた。
 
 アメリカのカウンターカルチャーを紹介する唯一のメディアだった「宝島」は、やがてその路線の完全な商業化版として「ポパイ」「ホット・ドッグ・プレス」を生んだといえる。いわゆるカタログ雑誌の登場であり、マニュアル本の始まりだった。ここで注意したいのはカタログ本からマニュアル本へのシフトが短期間で起っていることだ。
 
 カタログは消費者が選択するものであり、消費者には選択能力が要求される。
 マニュアルはある所作をめぐる物語であり、消費者には物語への没入が要求される。
 
 コスプレが異なる外面や形態による物語への没入であるのと同じで、主体に要求されるのは物語への参入や没入であって自由を前提とした主体的な選択ではない。そこには選択の余裕などひとつも無いのだ。
 そして日本人は自由な選択が苦手らしい。得意なのはコスプレに多重人格・・・TPOによって所作を換え、最適化されたパフォーマンスで場をリードし、さらにそれらを形式化して効率よく伝達継承していくことだろう。高度な抽象化と伝播、再構成のテクニックが日本の文化でありあらゆる方面でのポテンシャルなのだ。
 
 簡単にいえば日本人は<自由(に選ぶこと)が不得意>で、与えられたものに<成りきるようなこと>が得意だということだ。
 
 しかし、自由への希求を歴史としてきた欧米をメインとした海外とのコミュニケーション(あらゆる交流、交渉、取り引きなど)が日常的になってきた現在、ホントに日本人必要なのは自由に考え自在に選択することだろう。
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