コメント・書評 |
子供らに
空蝉
Nov 5, 2008 1:10:47 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★
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前世で惨殺された幼児チャーリーの記憶をもつ晃司は殺人悪魔バロンサムディの影に怯える。義母が殺され現場にBサムディの形跡が残った。僕は一体誰の子なのか?父は、母は何をしたのか?チャーリーは一体何者なのか?前世は、現世とリンクしているのか?
彼は自分の出生つまりチャーリーという前世の自分を探して奔走する。人に会う。チャーリーという前世を背負って、もしくは自分が不義の子ではないかと、自分のせいで義母は死んだのではないかという罪悪感を背負って、死ぬためではなく生きるために必死に救いを、ことの真相を捜し求めている。 ことの結末はまったくもって単純に素直に収まった感があるが、しかし現実なんてそんなもの、むしろあるべき形に落ち着いたというリアルさを好ましくも思う。偶然の産物で作られた種も仕掛けもないミステリーほど肩透かしを食うものはないからだ。 むしろ犯人の目星は読者には分かりやすいだろう。問題はどうしたら人間が悪魔として記憶されたか、どうやって犯罪が起こされたかという行程にある。 さて余談だがよく「記憶は美化する」という話がでる。 これはもっとああだったはず・・・と、あやふやな善き記憶はやがて現状の不足分を補うように美しく豊富な思い出となって再構築されるのだろう。 美化するだけが記憶ではない。悪化もするし混在もする。それを形作るのは成長過程における環境だったり出合った物事、人であったりするのだろう。そしてもう一つ。 前世というのは現世の私たち自身が作り上げたもの、私たちのためにあるものなのだと、そう思う。 |
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