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ラン
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森 絵都作
税込価格:
¥1,785
(本体 : ¥1,700)
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出版 : 理論社
サイズ : 19cm / 463p
ISBN : 978-4-652-07933-1
発行年月 : 2008.6
利用対象 : 中学生
高校生
一般
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コメント・書評 |
この世で生きていくことは、どんなにすてきなことか。そう、素直に思えるすてきな物語。
うっちー
Nov 3, 2008 1:53:32 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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「千の風になって」では、「私は、お墓の中にはいません…」と歌う。私は、死んで、風になって、あなたのそばにいるのだ、と。 死ねばどうなるのか、私たちの親しかったあの人は、死んでどこにいるのか、それは、生きている者の永遠の問いだ。そして、死ぬことを考えることが、今、生きていることの大切さを感じることでもある。 この物語のなかでも、作者の死生感が感じられた。主人公があの世とつながることで、この世でも強くなり、真っ直ぐに生き抜こうと再生するまでが描かれる。 主人公の環は、13歳で、父、母、弟を亡くし、その後一緒に住んでいたおばさんとも20歳のときに死別する。家族のいない一人暮らしの環は、人とも交わらず、「あの世とこの世とが力関係を逆転し」、死者の世界の方が重みを増しているかのような気持ちさえする日々を暮らしている。 そんなとき、親しくなった自転車屋の紺野さんからもらった自転車「モナミ1号」に乗っているとき、その自転車に導かれるようにして、この世から通じる道を通り、ついにあの世に行ってしまう。そこで、亡くなった家族に出会うのだ。 優しい家族のいるあの世に居心地の良さを感じてしまう環。しかし、自分だけの力で、この世から、あの世へのレーン越えをするには、体力(40キロメートルを休みなく走り抜けられる体力!)がいることを知り、ランニングの練習を始める。そして、ひょんなことから、ランニングのサークルに入ることになるのだが、そこで、出会った、わけありの不思議な、そして、なんとも魅力的な人たちに感化されていく。 登場人物の魅力的なこと! アルバイト先のスーパーの従業員やサークルの人たちは、いじわるだったり、変人だったり、くせありだけど、皆、善人で、それが読んでいて心地良い。誰でもが、いっぱい悩みを持っていて、それでも、なんとか生きていかなきゃ、生きているといいこともあるよ、という前向きのメッセージが込められていて、とても気持ちがいい。 会話の軽妙さ、飄々としたユーモア、ストーリー展開の巧みさ。ちょっぴりのミステリーをはらんで、ぐいぐいと物語に引き込むその技は、やはり、森絵都ならでは! 読んだ後、「さぁ、今日もがんばって生きていこう!」なんて素直に思えてしまう、そんな優しくすてきな物語だ。
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