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花がふってくる  DARIA BUNKO

花がふってくる(フロンティアワークス) 崎谷 はるひ著
今 市子画
税込価格: ¥600 (本体 : ¥571)
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出版 : フロンティアワークス
サイズ : 15cm / 276p
ISBN : 978-4-86134-262-2
発行年月 : 2008.5
利用対象 : 一般

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コメント・書評

花も蛍も今宵限り
空蝉
Sep 30, 2008 9:05:49 AM
評価 ( マーク )
★★★★

今市子さんの美しい表紙につられた私が言うのもなんだが、思いがけない収穫だった。
描かれるのは子供っぽくあどけなさ残る居候主人公・秋祐と、同い年の従兄弟でありながら正反対に大人び自立している同居人・涼嗣。子供の頃からひそかに恋焦がれ続けた涼嗣に結婚話があがるところからこのドラマは始まる。
周りの全てのことに興味も執着も持てず厭世的な生き方がしみこんでしまった涼嗣。そんな彼を遠巻きにしてしまう人々も秋祐にはこぞって愛情を惜しみなく注ぐ・・・。一方秋祐の姉に涼嗣は憧れという恋心を抱いた昔日の夏日、その日から秋祐は涼嗣への恋心を諦めてきた・・・。 

二人の関係はどこまでも兄と弟、保護者と子供のような関係だ。が、本当は何にも執着できず、そのわけすら知らずに過ごしてきた涼嗣こそが未熟なのではないかと、ふと思う。何にも執着できないのは実は最も執着している・・・愛するものが、既に手に入っているものだと知らずに安心しきっていたからだと。
ただ本作は「あまりに近くて空気みたいに自然だったから・・・」なんて使い古した展開だけではない。
彼が思い至ったのは、手に入れていたと思っていた、だ。既に所有物!従兄弟という血のつながりのある同い年の友人である秋祐は、涼嗣にとって最初から当たり前に面倒を見る、傍にいて全てを把握しているのが当たり前の存在でありすぎた。
そこに把握してないものがあると、自分のものでない部分があったと知った時。それらが秋祐の告白と「家出」という形で失われていく。
その後の涼嗣のあまりに遅すぎる認識にも、その後の展開の急激さにも苦笑しか浮かばないほど呆れかえってしまう。
ただ、ハッピーエンドで終わらないこのもどかしさと「家」や現実のリアルさが妙に生々しく最後まで引きずるのが面白い。ナンにせよ、今後が気になる余韻を持たせる作品だ。
この書評はいいと思った・・・
 
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