コメント・書評 |
舞台となる「木の世界」観も主人公のトビーも魅力的!楽しい冒険ファンタジー。
うっちー
Sep 23, 2008 10:19:38 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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身長1.5センチの少年トビー・ロルネスは、13歳。彼の住む世界は「木の世界」。そう、大きな木が、彼らの世界なのだ。それが、とても魅力的にリアルに描かれているので、違和感なく、その世界に、この物語に入っていける。 たとえば、下枝の世界は、こんな風に描写されている。 「そこは、湿気を帯び、曲がりくねった枝が迷路のようにからまる場所だった。」 「見渡す限り続く湿った木の皮。だれひとり足をふみいれたことのない、底知れぬ深い木の股。重なった枝の間にできた、いくつもの小さな湖や、うっそうとしげるコケの森。小川や小道がたて横に交差する、深くひび割れた木の皮。」…。 あぁ、なるほど、確かに、木にはこんな世界の広がりがあるだろう、と感じ、そして、私たちの住む世界~地球と同じように思えてくる。ここで、読む者は、トビーの世界全てを把握できたかのような視点の大きさと、俯瞰する客観性を獲得した気持ちになれる。 トビーの父親シム・ロルネスは、すぐれた科学者で、木の世界の真実に気づいている。この世界(木)は、生きているのだ、と。そして、樹液の秘密にも気づき、その木の命ともいうべき樹液をむやみやたらに使うことは、住んでいる世界を壊すことだと、皆に説く。しかし、それが反感を買うことに…。 「ぼくらはみんな、命ある世界に住む旅人なのだ」とシムが演説するが、読者は、当然地球の未来にも思いを馳せるだろう。
追っ手に追われ、さまざまな危難に出会うトビーの逃避行には、ドキドキさせられる。彼の機転が利くところや、まっすぐな心には、とても魅かれる。逃避行や旅の途中で回想するかたちで、「なぜ、逃げているのか」「どうして追われることになったのか」が明かされる過程も、みごとな構成で、つい一気に読まされてしまう。環境、友情、生き方、勇気…、様々なテーマが盛り込まれているが、すべて、無理なく、ストーリーをより楽しく、深みのあるものにしている。 ナゾを残しつつ、どんどん進むストーリー。実にわかりやすい悪役。考えさせられ、感動するエピソードの数々。魅力的な主人公。そのトビーを次から次へと危難が襲い、それを乗り越えていく彼の成長ぶりも頼もしい。 まだ、1巻しか出てないが、先がとても楽しみな冒険ファンタジーだ。
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