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トビー・ロルネス  1  空に浮かんだ世界

トビー・ロルネス(岩崎書店) ティモテ・ド・フォンベル作
フランソワ・プラス画
伏見 操訳
税込価格: ¥945 (本体 : ¥900)
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出版 : 岩崎書店
サイズ : 19cm / 277p
ISBN : 978-4-265-04091-9
発行年月 : 2008.7
利用対象 : 小学生

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内容説明

【サン・テグジュペリ賞】トビー・ロルネスは身長1.5ミリの少年。両親と親友に囲まれ、大きな木で幸せに暮らしていた彼の生活は、ある事件をきっかけに一変した。両親は投獄され、何千人もの狩人に追われる身となったのだ…。

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コメント・書評

舞台となる「木の世界」観も主人公のトビーも魅力的!楽しい冒険ファンタジー。
うっちー
Sep 23, 2008 10:19:38 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

 身長1.5センチの少年トビー・ロルネスは、13歳。彼の住む世界は「木の世界」。そう、大きな木が、彼らの世界なのだ。それが、とても魅力的にリアルに描かれているので、違和感なく、その世界に、この物語に入っていける。
 たとえば、下枝の世界は、こんな風に描写されている。
「そこは、湿気を帯び、曲がりくねった枝が迷路のようにからまる場所だった。」
「見渡す限り続く湿った木の皮。だれひとり足をふみいれたことのない、底知れぬ深い木の股。重なった枝の間にできた、いくつもの小さな湖や、うっそうとしげるコケの森。小川や小道がたて横に交差する、深くひび割れた木の皮。」…。
 あぁ、なるほど、確かに、木にはこんな世界の広がりがあるだろう、と感じ、そして、私たちの住む世界~地球と同じように思えてくる。ここで、読む者は、トビーの世界全てを把握できたかのような視点の大きさと、俯瞰する客観性を獲得した気持ちになれる。
 トビーの父親シム・ロルネスは、すぐれた科学者で、木の世界の真実に気づいている。この世界(木)は、生きているのだ、と。そして、樹液の秘密にも気づき、その木の命ともいうべき樹液をむやみやたらに使うことは、住んでいる世界を壊すことだと、皆に説く。しかし、それが反感を買うことに…。
「ぼくらはみんな、命ある世界に住む旅人なのだ」とシムが演説するが、読者は、当然地球の未来にも思いを馳せるだろう。

 追っ手に追われ、さまざまな危難に出会うトビーの逃避行には、ドキドキさせられる。彼の機転が利くところや、まっすぐな心には、とても魅かれる。逃避行や旅の途中で回想するかたちで、「なぜ、逃げているのか」「どうして追われることになったのか」が明かされる過程も、みごとな構成で、つい一気に読まされてしまう。環境、友情、生き方、勇気…、様々なテーマが盛り込まれているが、すべて、無理なく、ストーリーをより楽しく、深みのあるものにしている。
 ナゾを残しつつ、どんどん進むストーリー。実にわかりやすい悪役。考えさせられ、感動するエピソードの数々。魅力的な主人公。そのトビーを次から次へと危難が襲い、それを乗り越えていく彼の成長ぶりも頼もしい。
 まだ、1巻しか出てないが、先がとても楽しみな冒険ファンタジーだ。
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