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流れ行く者  偕成社ワンダーランド
守り人短編集

流れ行く者(偕成社) 上橋 菜穂子作
二木 真希子絵
税込価格: ¥1,575 (本体 : ¥1,500)
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出版 : 偕成社
サイズ : 22cm / 275p
ISBN : 978-4-03-540360-9
発行年月 : 2008.4
利用対象 : 小学生

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内容説明

父を王に殺された少女バルサ。親友の娘を助けるためにすべてを捨てたジグロ。ふたりは追手をのがれ、流れあるく。二度ともどらぬ故郷を背に…。守り人シリーズ「番外編」にあたる短編集。全4話収録。

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コメント・書評

あのバルサとタンダが、ここに!
うっちー
Jul 6, 2008 2:04:08 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

 「守り人」シリーズの、あのバルサとタンダの子どものころのお話。4つの短編が入っている。
 父を王に殺され、父の親友であるジグロとともに、追われる身になったバルサ。まだ13歳の少女とはいえ、生き抜くために、闘うすべを学び、ジグロとともに、用心棒や護衛をしながら、住むところを定めぬ「流れ行く者」として生きている。
 そんなバルサが、少しでも息をつけるところが、呪術師トロガイのところだった。そこに身を寄せている間は、近くに住む心優しい少年タンダとも交流があり、ふつうのくらしに思いを馳せてしまうのだった。
 村の暮らしの描写のリアルさ。風や匂いや音までも、目の前に浮かび上がる表現の確かさ。上橋菜穂子のみごとな腕に、心地よく世界に入ることができる。
 たとえば、こんな一文
「長兄が、ぴしゃん、と後ろ手に戸をしめると、すん、と冷たい初秋の夜風も、夜の物音も家の外にしめだされ、粗朶木がはぜる音が急に耳につくようになった。」
 また、戦いの動きも、理にかなっていて、その場でのバルサの動きが、映像で浮かぶようだ。
 なにより、バルサを慕うタンダの気持ち。ジグロとともに生き、言葉に出さないが、お互いを心から思い、ふたりですっくと立っている姿の凛々しさ、せつなさ、雄雄しさ。人間として生きていく厳しさと美しさを見せられるようで、せつなくなりながらも、読む者の背中もまっすぐにしてくれるような気がする。
 心から魅せられるシリーズに、また、この1冊が加わったことがうれしい。表紙の絵もすばらしい。
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