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独白するユニバーサル横メルカトル
平山夢明短編集
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コメント・書評 |
残虐というだけにとどまらない、狂気に優しいストーリー。
オレンジマリー
Jun 12, 2008 7:52:35 AM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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仰天、の一言に尽きる一冊。 そもそも、本書を手に取ったきっかけが恩師の『仰天の一冊です』というメールだった。なんて事を思いつく作家なんだろう…と半ば放心した程だ。
表現がグロテスクだし、けれども狂気の沙汰という一言で片付けられる代物でもない。生々しい表現に眉間に皺を寄せたりもしつつ、けれどもページをめくる指は止まらなかった。なんと言ったら良いのだろうか…狂気に優しいと言った方が的確のように、私には思える。
特に『オペラントの肖像』は大好きな絵画に大きく関わっているストーリーで、一番印象的だった。目頭が熱くなったりもした。設定は、未来だろうか…? FBIとかCIAを思わせる組織が古き美術を愛する物を陰で支持し、保管する者たちを摘発していく。最後の大きな展開には目を瞠るものがあった。凍っている物の中に、一筋の優しさのイメージである。ミレーの絵が、切ない。
先が分からず息を呑む展開も敬服である。決して予測がつかない。特に、目を背けたくなるような拷問を与えなくてはいけない男の話が哀れだった。拷問を望んでやってきた女の子、その子に心理を乱され、そして明かされた事実。けれども、その真相は闇の中である。それが分からないのが、また良いところなのではと思う。普段は、きちんと後が分かった方がスッキリする性分なのだが、本書はそういう面では楽しめたといえる。
普段はグロテスクな表現を好まないのだが、本書は狂気に終わらないので楽しめたストーリーもいくつかあった。かと言って、また読み返そうとは思えない。一度読み通して、ガツンと強い衝撃を受けて、仰天したらそれで良いと思う。始めから最後まで、仰天続きの異様な一冊だった。 |
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