コメント・書評 |
美しいこと。おぞましいこと。
つきこ
Apr 26, 2008 11:17:47 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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美しいタイトルを裏切って内容は衝撃的です。
宇宙の辺縁にある惑星ダミエム。翼を持つ美しい妖精のようなダミエム人を保護する名目で、連邦から派遣された保護官が常駐するその星に一団の観光客がやってくる。観光客の目的は特異な自然現象”ザ・スター”。超新星爆発によるオーロラを思わせる現象とともに、彼らは驚くべき事件に遭遇する。
何か美しいもの。きれいなもの。
そんなものに対する無知や鈍感さが招く、おぞましい災厄を描いたこの物語、「たったひとつの冴えたやり方」でキュートな女の子に過酷な運命を選び取らせたように甘さを許しません。ユニークで魅力的なキャラで煙幕を張ろうと、本書は主人公が大人であるだけにもっと容赦がありません。
おぞましい災厄もやがて去り、美しいもの・きれいなものを蹂躙した後の世界に何を見るのか。
蛮行に立ち向かう勇気を描いたものは数あれど、蛮行の後に来るものをも予見して稀有な一冊。とても悲しいことですが、美しいもの、きれいなものを完膚なきまでに叩き潰しにかかる今の日本にあって、本書が提示する暗い示唆にうっすらと背筋が寒くなるよう。
「オーケー、グリーン」作中で何度も繰り返され、最後の最後で発せられるこの台詞。万感の思い。そんなものを鮮烈に痛切に感じさせ、圧倒されます。
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