 |
生命徴候あり
|
コメント・書評 |
医療と人生の激動
KU-
Apr 12, 2008 9:52:27 PM
|
評価 ( ★マーク )
★★★★★
|
久間十義という作家は「刑事たちの夏」の印象が強い所為か刑事小説や男くさい社会派の作品が得意な作家だと思っていた。 それは「聖(セント)ジェームス病院」を読んでからも変わらなかった。あぁこういう作品も書くんだと思った程度だった。 今回「生命徴候あり」を読んで考えを改めた。 社会が向ける目線の先にあるものを書く作家なのだ。社会が医師不足など医療に目を向ける中、著者の関心はそれ以前から医療に向かっていたのだろう。その医療の内実を緻密に書いている。 健康である間は医療の実態を外側から見ることしかできないと最近痛感した。家族が入院し、また自分自身も数日入院生活を味わったが、患者の家族になって分かる医療の実態や患者になって分かる実態がある。ただ、医師や看護師でない限り医療従事者側からの実態というものは分からない。 この作品は、医師側からの医療の実態がリアルに書かれている。そこには医師同士の駆け引きもあれば色恋のゴタゴタもある。そういったことを含めた医療の現状が緻密に書かれた質の高い医療小説だと思う。 また、医療小説としてだけでなく、一人の女性の人生がなんともいえない起伏で書かれている。 あまり知名度が無いのが残念だ。知らない作家だからと言わずぜひ読んで欲しい。 |
|
|
| 現在の投票
はい:3人(100%)
いいえ:0人(0%) |
|
|
|
|


|