 |
ジーン・ワルツ
|
コメント・書評 |
妊娠・出産の抱える多くの問題
KU-
Apr 9, 2008 11:19:24 PM
|
評価 ( ★マーク )
★★★★★
|
産婦人科医・理恵が非常勤として通う閉院間近のマリアクリニック。閉院前の最後の患者として5人の妊婦が訪れる。 5人の妊婦は長い不妊治療や、高齢出産、仕事と出産の両立など様々な問題を抱えている。また出産までの過程でも、様々な問題が出てくる。 この物語を読んでいると、妊娠・出産が決して簡単なものではないと理解できる。また、子供が健康に生まれるということがどんなに奇跡的なことかが良く分かる。 これは物語の中だけのことではなく、多くの女性が経験するもので、結婚すれば子供が授かるわけでもなく、妊娠したからといって出産まで順調に進むとは限らない。長い間子供が授からなければ不妊治療をするかどうするか?妊娠すれば産むか?胎児の健康に問題があればどうするか?妊娠から出産までには様々な選択肢が待っていることを痛感した。 この小説で、男性は妻である女性の産んだ子供を”自分の子供である”だろう子供として育てる、つまり男性は生まれてくる子供が確実に自分の子供とは言い切れない。また、今後は人工授精などにより女性でさえも産んだ子供が自分の子供か分からない、という話が主人公たちの言葉となって出てくる。この部分に言葉では表現できないような寒さを感じた。 最近、男性が女性に若さを求める理由に”子供が欲しいから”と答える男性の声を多く聞いて腹が立ったことがある。こう思っている独身男性は結構多いのではないか? 女性が男性に若さを求めるとき”子供が欲しいから”ということはないのではないかと思う。少女時代、好きな人と結婚し、結婚すれば当然子供が生まれると思っていても、年を重ねるうちに女性はそんな簡単なことではないと気付くのだと思う。出産に対しどうしても間接的になる男性にはこういった感覚が薄いのかもしれない。 若いから産めるわけでもないし、女性に原因があるのと同じ割合で男性にだって原因はあるだろうし、お互いの遺伝子の相性もある。 単純なミステリとしてだけでなく、医療や出産の一端に触れることができ、考えさせられる小説だと思う。様々な世代の女性にも男性にも読んで欲しいと思う。 |
|
|
| 現在の投票
はい:7人(100%)
いいえ:0人(0%) |
|
|
|
|


|