コメント・書評 |
どうせ転ぶなら、もっと大きなお金に転ぼう
つきこ
Mar 18, 2008 10:52:54 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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面白おかしく同性愛を取り上げるものが増えた。それは社会の多様性や寛容さの表れというよりは、多くの人間が”金に転んだ”証左だろう。
でもいいのかな?そんな風におもちゃにしてると、もっと大きなマネー取り逃がしちゃうよ。お金好きなんじゃないの?
敢えて下品に言えば本書の中身はこんな感じ。”寛容”な地で”繁栄”を謳歌し、英国消費者ヒエラルキーのトップに君臨する、知られざるピンクポンドパワーをとくとご紹介。ピンクポンドとは、ゲイ達が使うお金・そんな彼らのお金が流れ込むマーケットのこと。その巨大さにびっくりです。本書の設定レートは今となっては高すぎですが、多く見積もればなんと年間700億ポンド!18兆円超とはただごとではない。浜銀総研が数年前に査定した「萌え」関連市場全体でもたかだか888億円規模。いかにケタ違いの市場かがよくわかります。
本書では、ピンクポンドの旺盛な消費意欲がどれだけ実体経済を潤しているか、そんな彼らの消費行動がどのように社会を動かしてきたかが紹介されます。英国のみならず、南アフリカ経済が好調な原因だって、豊富な資源以外に説明がつきそうで騙され、もとい納得してしまいます。そして彼の地ではいかにLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)が根付きつつあるかも、苦い歴史と共にご紹介。とはいえそこは『京都人だけが知っている』の著者らしく、あくまでポジティブなのがおかしい。
ま、新書です。「萌え」関連市場なんてぴんとこない、その程度にはピンクポンドも眉唾ものかもしれません。ですが、自由になるお金を財布にいっぱいつめた人間に企業は優しい。そうして社会が変わってきたことに異論がある人は少ないでしょう。ロンドン市長がLGBT支持を掲げ、一緒にゲイパレードに参加する姿からは、寛容なきところ繁栄は訪れない。そう実感させるに充分です。”みんな違って みんないい”明確にそのメッセージを発した地が繁栄を謳歌する姿は、その逆よりははるかに健全。風通し良さげで羨ましい限りです。
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