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国のない男
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コメント・書評 |
同じ星の上で偶然にも重なる時代を生きてこれたということに感謝
さあちゃん
Feb 12, 2008 10:52:48 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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表紙からの真ん中から鼻眼鏡で貴方の顔をじっと見つめてくるおじいさんこれがこの本の作者カート・ヴォネガット。これは84歳で亡くなった彼が82歳の時に書き上げた遺作である。 人間80年以上も生きていると大抵のことは許されるのではないかと思う。辛いこと悲しいこと嬉しいこと楽しいことかけがえのないこと。多くのことを乗り越えてきたということはラッキーなことではなかろうか?そして彼は人間について文明について芸術について社会について痛烈に愉快に語っている。なかでも母国アメリカについて語るときは辛辣さが増す。 アメリカが人間的で理性的になる可能性はまったくない。なぜなら権力がわれわれを堕落させているからだ。 うちの大統領はクリスチャンだって?ヒトラーもそうだった。
人間というものがいかに愚かでありそして破滅へと着実に向かっているかということをスバズバと言い放つ。こんな口の悪いおじいさん親戚に一人はいるよね。でも作者がどんなに辛辣な批判をしてもそのユーモアに溢れた語り口から伺えるのはやはり人間に対する愛情ではないだろうか。この命に溢れた星をばかばかしいお祭り騒ぎで滅亡に導きつつあることへの警鐘も勿論ある。しかしこの世界で生きていくことを幸運と感じさせることがまだまだたくさんあるってことの素晴らしさも教えてくれる。 この素敵な本にこの時代に巡り会えてよかった。 ありがとう。 |
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