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タタド
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コメント・書評 |
タイトルの意味や話の筋さえどうでもいいかもしれない
つきこ
Dec 4, 2007 11:08:46 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★
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作中に夏みかんが出てくる。甘い果物全盛の中、すっかり人気の廃れた果物だ。文章を追うだけでその強烈な酸味が甦って口の中は酸っぱくなり、爽やかな芳香を鼻先にかいだような気がした。そしてこんな風に五感を呼び覚ますような文章には、近頃すっかりご無沙汰だった。読んでる本が悪いと言われればそれまでだ。
筋というべき筋もないような全三篇からなる短編小説集。個人的には官能の香りさえご愛嬌。ただ厳選された”ぴたり、ぴたりと石を置いていくように、言葉が胸に落ちていく”感覚をじっくりと味わい、吟味された一文一文を追う楽しみに、心ゆくまで浸りました。最低限の言葉で深い余韻を残す、そういう意味では詩人の小説だなぁとつくづく感じます。 この路線を踏襲しようとして、失敗した小説をたくさん知っている。小説はまず言葉ありきということ。ことばの力をまざまざと見せつけられます。 書店を賑わすぶ厚~い本の数々。著者畢生の著。十年に一度の大作。少々過大広告気味の宣伝文句も丸っきりの嘘ではない。どれも読み応えがある。あり過ぎる。著者の言わんとしたところを頭に詰め込まれすぎて、酸欠気味になるほどだ。貧弱な言葉でも、これだけは伝えねばならぬと千言万言を費やして語りたいことを語る小説なら、熱意だけでも買うことはできる。が、空間を生かすような小説でそれをやられると、もう目もあてられない。そこにあるのはただスカスカな枯れ木一本だったりする。がっと詰め込まれた雑多な情報で詰まった頭を、険しくなった眉間の皺をほどいてくれる本書は詰め込み型物語の逆をいく。
本当に大事な本なんて2、3冊しかない。その意見には賛成なのですが、じゃあどれが大事なのかを凡人が見極めるためには、やはり膨大な本を読まなくてはならない。
ぐっちゃぐちゃでカオスを極めたクローゼットがすっきりきれいに片付いた。そんな読後感です。何が必要で何が不要か、見通しが良くなってああすっきり。これでまた明日からたくさんの本が楽しめる。そしてまたいそいそと本を選びにかかるのであった。
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