 |
家族のさじかげん
|
コメント・書評 |
人とのつながりという豊かさ
nory
Oct 14, 2007 4:32:06 PM
|
評価 ( ★マーク )
★★★★★
|
誰もかれもが忙しく、電話をするのにもメールで確認するような現代で、著者とまわりの人たちは奇跡のようにゆったりと、深い心の底でつながっている。一風変わった人たちが多いのだけど、そこがまた微妙なさじかげんで成立している。
友だちの届け物を持ってきたコイシさんに、ふとした思いつきで本を貸す。ほとんど知らないコイシさんにこんなことしてよかったんだろうかと思う著者のもとに、「できればまた、蔵書のなかから『特選』二冊ほど、お貸しください」という手紙を添えて本が返ってくる。 それからというもの著者が自然と選ぶ本たちは、偶然にもコイシさんにとって時宜にかなった本ばかりで、きちんと読後感が書かれて戻ってくる。
あるいは著者の友人が、拾った財布の落とし主の女性が食べるのを忘れてしまうという話を聞いて、その女性の家の玄関にそっとお弁当を置くようになる。匿名で。人知れず。その方が亡くなるまで十一年間も。
こんな話を読むと、著者やまわりの人たちがいかに縁(えにし)というものを大事にしているかと、ため息が出る。損だ得だと言う前に、本当の豊かさってこういうものでしょと教えられる。
|
|
|
| 現在の投票
はい:4人(100%)
いいえ:0人(0%) |
|
|
|
|


|