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春を待つ谷間で  創元推理文庫

春を待つ谷間で(東京創元社) S.J.ローザン著
直良 和美訳
税込価格: ¥1,050 (本体 : ¥1,000)
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出版 : 東京創元社
サイズ : 15cm / 421p
ISBN : 4-488-15307-0
発行年月 : 2005.8
利用対象 : 一般

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コメント・書評

決してベストセラーにも平積みにもされることのないこのシリーズの熱烈なファンの一人なのです。
さあちゃん
Oct 5, 2007 10:56:14 PM
評価 ( マーク )
★★★★

  チャイナタウン生まれの中国系フメリカ人リディアとアイルランド系アメリカ人ビルの私立探偵が活躍するシリーズの第6作目。毎回交互に語り口が交代するが今回はビルの視点から。
 季節はもうすぐ厳しい寒さを迎える頃。ビルはいつも休暇を過ごす山小屋に向かうが、今回初めてこの地で仕事を引き受ける。依頼人はイブという女性。自宅から盗まれた品物を取り戻して欲しいという。たが調査を始めた途端友人の酒場の地下室で死体を発見する羽目になってしまう・・・・
 いつものマンハッタンから離れて今回は立ち寄るつもりがない限り通らないまた立ち寄る理由もないような辺鄙な片田舎である。そこに依頼者である女農場主、その町を牛耳る企業経営者、ビルの友人の警察の捜査官、縄張り意識の強い保安官、けちなギャング、不良少年など個性溢れる面々が登場する。所謂アメリカの片田舎にいそうなステレオタイプな登場人物達が共感または反感にしろ感情移入できる人間として描かれている。
 特に見かけはがさつそうな大男だが実はモーッアルトやシューベルトを愛しきちんと調律されたピアノを弾くビルと小柄で辛辣なしかし心根の優しいリディアのコンビがすごくいい。二人の丁々発止のやり取りの中にもお互いに対する深い信頼感と信頼しているが故に尊重して立ち入らない距離感をもつというスタンスが素敵だ。ビルが口説きリディアがかわすという構図は一作目から変わらないが二人の関係にも微妙な変化がみえ謎解きとはまた別に興味をそそられる。
 私の大好きなこのシリーズ。次はどんな舞台で出会えるのだろうか。とても楽しみである。
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