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流しのしたの骨  新潮文庫

流しのしたの骨(新潮社) 江国 香織著
税込価格: ¥540 (本体 : ¥514)
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出版 : 新潮社
サイズ : 16cm / 310p
ISBN : 4-10-133915-5
発行年月 : 1999.10
利用対象 : 一般

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コメント・書評

風変わりな家庭の日常。
オレンジマリー
Sep 10, 2007 12:25:42 AM
評価 ( マーク )
★★★

江国香織の本を手に取ったのは、いつぶりだろうか。まだ十代の頃に恩師に借りた数々の書籍の中に、江国香織の本が混ざっていたのは覚えている。大人で、ちょっと切ない空気を纏っているストーリーが印象的な作家だ。当時の私はまだ子供で、どうにも解せない何かがあったように思うけれど、年月を経て経験も積み、今読んだら昔理解できなかったことも理解できるかもしれない、と単純な動機で読み始めた。
 
 語り手は、三女のこと子である。
 家族のメンバーはそれぞれ個性ある性質で、特に他の家庭に傾注したことがない私にとっては、ちょっと不可解でもあった。日本の家庭、というよりは海外の家庭、という範疇に属する方が自然な気もした。
 決まった朝食、半熟たまご、セイロン茶2杯、温野菜にバナナ、を長年摂り続けている家族。途中、突然昔見た覚えのある「山折り」とかそういう言葉が出てきて、何だろうか…?と訝しがっていると折り紙の作り方であったり。中学生の弟を「小さな」と呼称する三女。
 興味深かったのは、両親がそれぞれ一致はしないがきちんと確立された意見の持ち主だっていうことだ。特に納得してしまった彼らの意見は、結婚に対するものである。結婚した長女が帰ってきて泊まっていくことに、二人は良くは思わないその理由。私が知る現実の家庭は大抵、里帰りすれば親は喜び、是非泊まってゆっくりしていけと勧めさえもする。だけど、本書のこの家庭は違った。
 家族のメンバーそれぞれ、お風呂に費やす時間も違う。概して男性は短いように思うが、この家庭では次女のしま子がカラスの行水。だけどここで、私は自分の家族の事を考えた。一番長湯をするのは、意外なことに長兄である。こんなこと、何かのきっかけが無ければ一切考えないことだ。本書では「あ、そういえば…」と自分の家族を振り返る機会がたくさんある。
 季節感も豊富に描かれているし、終盤では江国香織らしさを満喫していた。あとがきでは、変な家族を描いてみた、と記されているけれど本当にその通りである。日常の、普段は気にも留めないことなんだけど、こうして小説を通して見ると不思議なものである。これから先、ふとした時に本書を思い出しては自分の家族のことを考えるかもしれない。
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