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「ひきこもり国家」日本  宝島社新書
なぜ日本はグローバル化の波に乗り遅れたのか

「ひきこもり国家」日本(宝島社) 高城 剛著
税込価格: ¥735 (本体 : ¥700)
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出版 : 宝島社
サイズ : 18cm / 187p
ISBN : 978-4-7966-5848-5
発行年月 : 2007.6
利用対象 : 一般

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内容説明

日本の国際競争力が約10年で4位から24位へ大転落した原因とは? 年間約200日旅を続け、世界の要人に会ってきたクリエイターが、世界がどれだけ様変わりし、日本がどれほど危険な状況に置かれているか明らかにする。

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コメント・書評

グローバルなランキングから「下流」を説明する!
T.コージ
Jul 19, 2007 12:37:46 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

日本の相対的貧困率は主要先進国中2位で、さらに2007年の国際競争力のランキングは10年で20位も転落して24位というザマ。この国家や政府が立派なワケがないが、そういう不都合な事実を連ねているのが本書の特徴。著者は以前から日本のオカシサ、政策の誤り、政府の無能、社会の異常を指摘し続けてきている。イデオロギーやましてや脆弱な自己の感覚だけでものをいうウヨ的な主張ではなく、1年に200日以上を海外で過ごしている著者の、仕事や外国の現場からの情報と観察は説得力がある。
 バブル崩壊以降赤字国債の乱発で国民の財産を勝手に担保にしている政府の動きをみて、少数の真っ当な論者だけが預金発動(政府による貯金の差し押え)の可能性を指摘しているが、本書も具体的な事例と現象にもとづいて、国民の預金が差し押さえられる可能性を指摘している。実際に終戦後に一度行なわれたのであって、不思議ではないし、ペイオフが預金発動の予備政策であることを指摘する人は少なくないだろう。
 
 <オタクの問題は東京の問題だ>というサブカル論者がいるが、よく考えてみればそれは当然のような気がする。アキバやブロードウエイが東京ローカル(発)だからというだけではなく、ラディカルにはその<東京>を求めてしまう志向性が(東京にも地方にも)ある限り東京はユー/トピア(無い/所)という幻想の具現化した場所だからだ。
 Uターンする人がいる一方で、やはり上京する人は多く(余談だが平成の年号以降天皇の在東京は正式ものとなり、明治以来続いた行幸ではなくなった。名実ともに京都と御所は地方になったワケだ)、すべては東京の問題つまり都市化=進歩という問題だ、という公式?が成り立つ。通時的にみた資本主義の進行は空間的には都市化であり、東京は世界最大のその具体例だろう。ネットは全世界を結ぶがそれは情報上のことであって、場所的な意味合いはヴァーチャルで代理することはできない。「はてな」がどうして東京に移転し(てしまっ)たのか?という疑問はカンタンに答えられるものではないかもしれない。
 しかし、著者は「東京を捨てろ!」とカンタンに言い放ってしまう。なぜなら、その先にグローバル(化)があるからだ。血縁や地縁などを断って<無縁な関係>を目指していくのが進歩であり近代化だと阿部勤也は主張していたが、著者はそういった意味を身をもって理解しているようだ。自由で差別の無い、つまり出身や居住地域、言語や民族、文化による区別も差別も無い自由な<関係>は<市場>なのだが、おそらく著者もそう認識してると思われる。それこそがグローバリズムだからだ。グロバーリズムとは前書『ヤバいぜっ!デジタル日本』でも強調されていたように信用の場であり、そこで信用を象徴するのはブランドだ。そのために繰り返し国家のブランディングが主張されている。
 
 本書の実態は専門用語や数値とは無縁の経済(学)書? 日々の生活や文化にもとづいて書かれ、近い将来への展望が示されている07年上半期オススメの一冊だろう。貨幣やグローバルというものの原理が数行で解説されてしまっている読みやすさが魅力だ。
 なんと第七章のタイトルは「為替相場と商品先物取引相場」。そこでは「あらゆるクリエイティビティは金融商品」であり「このことをわかっていない門外漢ほどマネーゲームと罵倒する」と一喝している。国家の信頼性を象徴するのはその国の通貨であり、著者が感心したイギリスの国家ブランディングもそれを体現している。貨幣という究極の金融商品が象徴するのは信頼性そのもの。あらゆる商品はそこへ収斂する。信頼できる商品、信頼できる国家、なによりも信頼できる<自分>になることを著者は主張している。究極の自分探しでもあるかのように世界を俯瞰し、グローバルが語られる必読の一冊だ。
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