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「お葬式」日記

「お葬式」日記(文芸春秋) 伊丹 十三著
税込価格: ¥1,600 (本体 : ¥1,524)
出版 : 文芸春秋
サイズ : 20cm / 322p
ISBN : 4-16-338870-2
発行年月 : 1985.2
利用対象 : 一般

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コメント・書評

伊丹の才能のありか
くにたち蟄居日記
Jun 30, 2007 12:26:08 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

 映画にメイキングというジャンルがあるが 映画監督が映画撮影中に書いた日記というものは 本作で初めて読んだ。


 実に面白い。


 俳優とのやりとりや 撮影現場の状況なども面白いが やはり監督という「孤独な」立場にある人の心境が一番惹かれたものである。


 伊丹は映画を撮影しながら しきりと他の映画を観ていることが良く分かる。おそらく 初めての映画監督という仕事に対して なかなか自信が持てない中 旧作を見ることで必死に何かを学ぼうということだったのかと思う。
 小津や ヒッチコックといった 熟練の監督の作品を見つめている伊丹の眼差しには 初々しいものがある。


 僕は 伊丹という人は脚本を書かせたら 当代随一だったと思う。着眼点は常に新鮮だし 材料の手さばきも実に見事だ。
 但し 映画監督としての才能は また別のところにある。残念ながら 伊丹には その才能は無かったと思う。伊丹が監督した作品は 丁寧だし 凡百の映画に比べると群を抜いている。
 しかし 何かが無いという思いは常に残る。最後に伊丹が自死した理由は 僕は そんなところにあったのではないかと思えてならない。


 こんな本を書けた才子だけに 自分が映画監督の才に恵まれていない事が許せなかったのではないか。そんな気がしてならない。
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