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おれちん  朝日新書
現代的唯我独尊のかたち

おれちん(朝日新聞社) 小倉 紀蔵著
税込価格: ¥777 (本体 : ¥740)
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出版 : 朝日新聞社
サイズ : 18cm / 245p
ISBN : 4-02-273117-6
発行年月 : 2006.11
利用対象 : 一般

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内容説明

小泉前首相、安倍首相ら、おれちんリーダー、ニートやひきこもりになる若者…。肥大化した自己愛を抱えつつ孤絶し、漂流する人たち。彼らの深層心理に鋭く迫った、気鋭の韓国哲学者による次世代日本人論。

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コメント・書評

〈おれちん〉かく語りき
nory
Jun 16, 2007 6:35:42 PM
評価 ( マーク )
★★★★★

かつて、ニーチェはツァラトゥストラに「超人」を語らせた。著者は〈おれちん〉に「おれちん」を語らせる。

「おれさま」=自分が一番偉く、支配欲が強い人間
「ぼくちん」=依存症で自閉的な人間
〈おれちん〉=自己中心的で、しかも自閉的な人間

さらに、〈わたし〉という人間。〈わたし〉とは共同体の中に存在し、すでに崩壊している共同体がいまだ「個」よりも重要だと思っている人間である。
かつて、ツァラトゥストラは「神は死んだ」と言った。そして、〈おれちん〉は「〈わたし〉は死んだ」と言う。『〈わたし〉という古くさい一人称は、すでに死んだのだ。これからは〈おれちん〉の時代である!』

もっと個性をと言われ続け、〈おれちん〉は育ってきた。ナンバーワンより、オンリーワン。だから、共同体なんかはとるに足りないものだ。しかし、著者はナンバーワンですら〈おれちん〉だと言う。日本のナンバーワンには共同体を守ろうという品性はない。
〈おれちん〉ナンバーワンは小泉純ちんである。純ちんは「ココロのモンダイ」と言った。「人生イロイロ」とも言った。それを訳せば「それが何か?」だ。純ちんはアベちんにバトンタッチした。
ホリエモンも中田英も〈おれちん〉だ。〈わたし〉勢力に何かしてやることはない。〈おれちん〉さえよければ、それでいいのだ。

〈わたし〉勢力が既得権を振りかざして人間の振り分けをしようとしたとき、こっちはどう対処したらいいのだ。他者の評価から逃れるために、内に閉じこもり、傷つかぬよう〈おれちん〉になるしかないではないか。かくして、若者は自分の身を守るため、パソコンの前に座り、〈おれちん〉になる。

ツァラトゥストラは最後に歓喜を経験する。〈おれちん〉も然り。それでは、この先、〈おれちん〉はどう生きていったらいいのか。〈おれちん〉のまま進めばいいのか。それとも、〈わたし〉勢力に融合すればいいのか。
知らぬ。
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