コメント・書評 |
甘ったれで自己チューな団塊世代の本音と実態か?
T.コージ
Jun 4, 2007 12:10:44 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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年収500万円を目標だか前提だかにした本らしい。零細中小企業の平均年収が250万円を下回るともいわれる現代、著者のお気軽さ、オメデタさに呆れる人は少なくないだろう。 500円万もの年収がありながら「B級」を自称し、しかも「自由民」の呼称までつけるカッコつけが典型的な団塊世代だともいえる。 戦後、社会主義陣営への対抗勢力として急速な復興と成長を求められた日本は世界銀行や米国からの莫大な復興資金とそれを集中的に投資する傾斜生産方式などによって量質ともに異例の経済成長を遂げた。きわめて構造的な、共産主義をしのぐ計画的な統制経済の成果でもある。膨大な資金と有能な官僚と従順な労働力の成せるワザだ。この経済成長を〝オレたちが頑張ったからだ!〟という根拠のないデッチ上げの自負をもって人生の哲学にしているのが、あの団塊の世代の特徴であり公約数だというのが緻密な調査をした学者やマーケッターの共通認識らしいが、本書を読むとリアルに納得してしまう。 団塊の世代はビートルズを聴きアイビールックを着たというイメージはメディアのデッチ上げに過ぎなかったことがバレつつあるが、それでは団塊の世代の実態はどんなものか?というのもいまいちピンと来ないかもしれない。少なくとも本書はある1人の団塊世代の実態であり、その年収500万円でもB級を自称し自由民を名乗るお気軽さは、あの団塊世代の典型的なイヤらしさだと思えば、スバリこの本は団塊世代の精神のサンプルなのだといえる。ムカつくが一読の価値がある。同時に本書は団塊世代そのものにとってリアルな弁解の余地のない批判にもなっている。著者はとてつもなく正直な人間なのだろう。 それから本書の一読の価値のひとつとして実名表記がある。ネタかフレームアップか自作自演かと疑ったらきりがない匿名ワールドの思考能力ゼロ空間のネットは違って、あるいはそれに準じてモザイクと匿名報道が主流となりつつあるマスコミの金太郎飴チャネルとは違って、本書はすべての情報が実名だ。ハラスメントの形容詞で何でも自己防衛できると思っている被害妄想社会において、今や蛮勇に近い覚悟で実名表記をしている著者と出版社の姿勢は何にも代えられない価値かもしれない。 テクノロジカルに監視社会を語る机上の論議より、シンプルな実名報道・実名表記が社会に対するいちばんの強度であることは語るまでもないことだろう。 ドキュメント映像の作家でもある著者による本書は階層社会論の良質なドキュメントである。そういう意味でも一読の価値がある。ムカつきながら読むといい。やがてムカつく(べき)相手が誰なのか何なのかわかってくるハズだから。 |
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