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魔女になりたいティファニーと奇妙な仲間たち
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コメント・書評 |
魔女はフライパンで武装する
Leon
May 24, 2007 11:21:11 PM
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評価 ( ★マーク )
★★★★★
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魔女のミス・ティックは、ダウンズと呼ばれる地方に異変が起こりつつあるのを感じ取った。 ディスクワールドに別の世界が近づきつつあるのだ。 ダウンズの農場に暮らす少女ティファニーの周りでは、おとぎ話の中の怪物が現れ始め、知識欲旺盛な彼女は魔女のミス・ティックに助言を求めるのだが、ミス・ティックは少女の中に魔女の資質を認めるものの今回の異変の大きさは自らの手にも余ると判断し、より力のある魔女達へ助力を求めるために旅立ってしまう。 しかし、その後も異変は続き、ティファニーの弟ウェントワースも何者かに攫われて行方不明となってしまった。 そんな折、短躯ながらもその凶暴さで名の知られた小人の一族”ナック・マック・フィーグルズ”と知り合ったティファニーは、老齢のため果敢無くなりつつある彼らの女族長(ケルダ)からその地位を一時的に引き継ぐことに。 荒くれ者の小人達を率いたティファニーは、必殺のフライパンと亡き祖母の蔵書であった「羊の病気」を手に、弟の救出行に向かうのだが・・・ 同じディスクワールドの物語だが、都市部を舞台にした「天才ネコモーリスとその仲間たち」から一転して、平穏な農村が舞台に。 物語が始まったときには既に他界しているティファニーの祖母”エイキングばあちゃん”の存在が、主人公の背景として極めて大きく感じられた。 孫娘の手に渡った「羊の病気」にある彼女の書き込みには、どんな病気に対しても「ひまし油」が処方されていたりしていて落語「葛根湯医者」のような可笑味があるが、ティファニーは知識以上に重要な知恵を祖母から受け継いでいる。 例えば、霜降る夜に一匹の子羊が見つかるまで寝ようともせずに探しまわる祖母の姿から、ティファニーはキリストの説話にあるような「羊飼いの愛」ではなく、生殺与奪の権利を持つからこそ生じる家畜への義務をしっかりと学び取っているのだ。 本書は児童向けに書かれたもので、ナック・マック・フィーグルズ達の強烈な個性などから通り一遍に読んでもユーモア溢れる作品として愉しめることは間違いないが、昨今では親も教えることが出来ないようなに知恵ついて、農村を舞台にしているからこそ学べる部分があるのではないだろうか。 また、プラチェットはディスクワールドにおける魔法の使い手を大学に学ぶ男性の魔法使いと市井の魔女に大別しており、どちらかと言うと前者に対しては皮肉っぽくマッドな様子に描くことが多いのに比べ、後者に対してはとても好意的だと感じていたが、魔女志願のティファニーは作者にも気に入りのキャラクターとなったらしく、彼には珍しく本作を著した翌年には同じ主人公で続編(A Hat Full of Sky)を著している。 |
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